「自分がお世話になってきた通信業界に恩返しをしたいんです」と語るのは、ピアズ<7066>の桑野隆司(くわのたかし)社長。携帯電話の販売に関わるようになったのは学生時代、アルバイトがきっかけだった。当時携帯電話という新たなツールは驚異的なスピードで市場に浸透していた。どちらかと言えば、売れ筋の製品ではなく、マイナー製品の販売員として試行錯誤を繰り返し、トップ販売員となった。販売の現場に立つうちに、通信業界の大手キャリアやメーカー・販売店舗が抱える課題に気が付くようになった。

爆発的な成長の裏で、大手キャリアやメーカー・販売店舗は多くの課題を抱えていた。次々と誕生する新商品や新サービスの知識習得はどうすればいいのか。お客様に新たなライフスタイルを提案し喜んでいただくにはどう説明・販売したらいいのか。店舗で働く販売員の労働環境や意欲はどうなのか。
2005年にピアズを創業し販売員に売り方を教える一方で、大手キャリアやメーカーに対して販売教育やマネジメントの改善の提案をするようになった。
「通信業界の現場で、皆が胸を張って働けるようにしたい。現場の悩みに答える正義の味方が一人くらいいてもいいんじゃないかと思いました」

事業は主に3つに分かれる。店舗スタッフの販売意欲やスキルを増す教育研修や、環境変化に強い組織づくりのためのマネジメント研修を行うコンサルティングサービス、ITを活用したITソリューションサービス、店舗の人材不足を補う人材ソリューションサービスがある。

「私自身は事業ポートフォリオをほとんど意識せずやってきました。クライアントのために親身になって現場目線で考え、提案してきたら結果としてコンサルティングになっていたというわけです」

人づくり、組織づくりのプロフェッショナルということもあり、ピアズは「ホワイト企業アワード“働きがい”部門」の受賞をはじめ、様々な機関からその経営品質を評価されている。
「いつかは日本の強さである人づくりとおもてなしをグローバルに広めていきたいんです」と、桑野社長は熱く語っていた。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ピアズ---IPO企業~社長の横顔~