■ダイナック<2675>の業績動向

3. 新規出店・退店等の状況
2016年12月期は、全社ベースで14店を新規出店する一方、閉店は16店となり、期末の店舗数は前年末の260店から2店舗減少した。期初の計画では新規出店が全社で20店、閉店が同7店とされていたが、新規出店が計画を下回る一方、閉店が計画を大きく上回る結果となった。業態転換はバーレストランで計画よりも1店多い6店が実施された。

バーレストランでは、出店数が計画の13に対して実績は7にとどまる一方、閉店数は4の計画に対して実績は11と膨らんだ結果、期末店舗数は前年度末から4減少して156店となった。新規出店遅れは、物件の手当てが進まないことが主たる要因だ。同社は出店ありきで計画遂行に走ることはせず、同社の希望にかなう物件が出るまでじっくりと待つことを方針としている。そのため、出店計画は往々にして遅れがちとなる。一方、退店については、物件オーナー側の事情に左右されて計画を上回ることがある。このうち、2016年12月期は普通賃貸契約の店舗が物件オーナーの事情で解約となり、それに伴う補償金収入があったが、こうした閉店数の予想以上の増加も、売上高の未達の一因となった。

業態転換はバーレストランにおいて6店で実施された。中期経営計画で掲げる高付加価値業態の展開という方針のもと、2016年12月期においては、「虎連坊」、「THE OLD STATION」等への業態展開や店舗の大規模化を行った。

ゴルフクラブレストランは出店、退店ともに計画どおりの進捗となった。今期は6店の計画のうち5店は上期中に開始され、残る1店も下期の期初にスタートとなり、全般に順調に進捗した。ゴルフクラブレストランの出店については、同社の運営実績などが評価されてゴルフ場側からのアプローチで成約に至るケースも多く、期初の出店計画が変更となるケースは少ない。閉店もまた同様の傾向がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 ダイナック Research Memo(8):新規出店は立地を厳選しながら着実に進めるスタンスを堅持