28日の日経平均は続落。120.20円安の28162.83円(出来高概算11億3000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場で、ハイテク関連株が下落した流れを受けて、値がさ株を中心に売りが先行し、前場終盤にかけて28046.32円まで下落する場面が見られた。ただし、今週は地区連銀景況報告(ベージュブック)や個人消費支出(PCE)物価統計など重要な経済指標の発表を控えているだけに、積極的に売り崩す流れにはならず、売り一巡後は28100円台での推移が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、ゴム製品、空運、陸運を除く30業種が下落し、鉄鋼、鉱業、不動産、銀行、卸売、非鉄金属などの下げが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ネクソン<3659>、エーザイ<4523>、KDDI<9433>、中外薬<4519>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>、エムスリー<2413>が軟化した。

前週末の米国市場は、感謝祭の翌日で短縮取引となるなか、主要株価指数はまちまちだったが、ナスダック指数やSOX指数が下落したことが重荷となった。また、中国での新型コロナウイルスの感染が再拡大しているため、中国経済の先行き不透明感から中国や香港などアジア市場が軟調なことも悪影響を及ぼしたほか、時間外取引での米国株価指数先物も値を下げているため、短期筋による売買が中心だった。また、個別でも中国経済の先行き懸念が鉄鋼、非鉄金属など景気敏感株が軟調だったほか、サッカーワールドカップ(W杯)で、日本代表が負けたことから、サイバー<4751>、ハブ<3030>などのW杯関連株も反動安となった。

日経平均は続落する形となったが、悲観的に見る向きは少ない。今週は3兆2000億円規模と試算される配当の再投資が控えており、株価水準が切り下がれば、機械的に機関投資家などからの買いが相場を支えるとみられる。ただ、米国では12月2日の11月の雇用統計など重要指標の発表に加え、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演などFRB幹部による発言機会が多く予定されている。このため、経済指標と期待インフレ率の動向に投資家の関心が集まりそうで、週を通じて米国市場の動きをにらみながらの動きが続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 米ハイテク株安や中国の新型コロナ感染再拡大が重荷に【クロージング】