14日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者のタカ派的な見解で、ドルは売りづらい。ただ、心理的節目の140円を割り込んだ影響で強気ムードは後退し、ドルの上昇は小幅にとどまりそうだ。

前週末に発表された予想外に低調な米ミシガン大学消費者信頼感が嫌気され、米10年債利回りの低下でドル売り優勢に。ユーロ・ドルは1.0360ドル台に浮上、ドル・円は2カ月ぶり安値圏の138円半ばまで値を下げた。ただ、週明けアジア市場でウォラーFRB理事が「インフレ率低下の明確で強い証拠がない限り、政策金利は引き下げられない」などとタカ派的な見解を維持。ドルの買戻しでドル・円は139円台に持ち直している。

この後の海外市場は米FRBの政策方針に思惑が交錯しそうだ。10日の消費者物価指数(CPI)が予想外に低調な内容となり、ドル売りに振れやすい。翌11日には割安感から買い戻す動きが先行したが、節目の140円を割り込んだことで投げ売りにより138円台に水準を切り下げた。今晩はブレイナードFRB副議長がインフレ高止まりのため引き締めに積極的なスタンスを示す見通し。ただ、強気ムードが回復しなければドルの上昇は限定的とみる。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・9月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、8月:+1.5%)
・01:30 ブレイナード米FRB副総裁討論会参加(経済見通し)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米当局者はタカ派方針も強気ムードは後退