10日のドル・円は、東京市場では135円30銭から134円89銭まで反落。欧米市場では135円05銭から132円03銭まで下落し、132円94銭で取引終了。本日11日のドル・円は主に132円台で推移か。米国の大幅利上げ観測は後退しており、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

米労働省が10日に発表した7月消費者物価指数(CPI)は、前年比+8.5%で伸び率は6月実績の9.1%を下回った。同コア指数は前年比+5.9%で伸び率は6月実績と同水準だった。市場参加者の間からは「7月のインフレ率は予想を下回ったものの、直近のインフレ率は年初時点の想定よりも高い水準にとどまっている」との声が聞かれている。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「年末までにFFを3.9%、来年末までに4.4%まで利上げを望む」と述べており、一部の市場参加者は「利上げが年内で終了することは難しくなった」と指摘している。ただ、今後の経済指標次第で政策金利見通しが大きく変わる可能性は残されており、米金融政策の動向については予断を許さない状況がしばらく続くとみられる。

<MK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場コメント:米大幅利上げ観測後退でドル買い拡大の可能性低い