欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。
資産購入プログラムを第3四半期に終了する可能性が強まったと指摘したほか、量的緩和策の終了後しばらくして利上げに踏み切る方針を表明。

ラガルド総裁はその後の会見で、ウクライナ戦争が欧州経済に著しいリスクとなり、不透明性が非常に高いと慎重姿勢を強調。同時に、新たなボトルネックに繋がり、インフレの上方リスクになるとすると指摘した。また、量的引き締め(QT)に関する言及は時期尚早との見方で、米国経済とは相違すると述べた。

NY外為市場ではECBの早期利上げ観測が後退し、ユーロ売りが加速。ユーロ・ドルは1.0887ドルから1.0758ドルまで下落し20年4月来の安値を更新した。ユーロ・円は136円60せんから135円52銭まで下落。ユーロ・ポンドは0.83ポンドから0.8250ポンドまで下落し、1カ月ぶり安値を更新した。
【金融政策】
・欧州中央銀行(ECB)
・主要政策金利を0.00%に据え置き
・預金ファシリティ金利(中銀預金金利、下限)を-0.50%に据え置き
・限界貸出金利(上限)を0.25%に据え置き
「量的緩和策の終了後しばらくして利上げ」「ECBは責務を満たすため必要な行動をとる」「インフレ見通しが目標に達するまで現行を維持」「データはAPPの7-9月期終了見通しを強めた」「ECBは選択肢、漸進、柔軟性を維持」
「もし、コロナ危機が悪化したら、PEPP再開も可能」
「政策はデータ次第」

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY外為:ユーロドル20年4月来の安値更新、ECBの早期利上げ観測後退