22日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派姿勢を強め、ドル買い基調は継続。ただ、原油高を背景にインフレ懸念による株安・円高が見込まれ、120円台に定着できるか注目される。

前日注目されたパウエルFRB議長の講演で、政策運営に関し引き締めに積極的な方針が示され米10年債利回りが上昇。ドル買い地合いが強まりユーロ・ドルは1.1010ドルまで下げ、ドル・円は119円半ばに浮上した。本日アジア市場は3連休明けの東京市場で仲値にかけてドル買いが強まり、ドル・円は2016年2月以来、6年超ぶりに120円台に浮上した。その後は達成感から失速する場面もあるが、おおむね節目を上回って推移した。

この後の海外市場もドル買い基調は維持されそうだ。米連銀総裁による発言の機会が予定され、今後の政策について一段の引き締めに前向きなスタンスが示されればドル買いを後押しする要因となる。また、ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉に進展がみられず、有事のドル買いは根強い見通し。半面、NY原油先物(WTI)は1バレル=110ドル台に強含み、世界的なインフレに懸念が強まれば株安に振れ、円買いが主要通貨の上値を抑えるだろう。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・1月経常収支(12月:+226億ユーロ)
・23:00 米・3月リッチモンド連銀製造業指数(予想:2、2月:1)
・03:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁オンライン討論会参加(ブルッキングス研究所)
・06:00 メスター米クリーブランド連銀総裁討論会参加(経済見通しと金融政策)
・国際決済銀行(BIS)イノベーションサミット(23日まで、ECB総裁やNY連銀総裁ら参加)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米引き締め加速に期待継続もインフレ懸念が下押し