12日のドル・円は、東京市場では113円21銭から113円49銭まで上昇。欧米市場では、113円23銭まで下げた後、113円79銭まで上昇し、113円61銭で取引終了。本日13日のドル・円は主に113円台で推移か。米国金利の先高観が広がっており、ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。

12日のニューヨーク市場でドルは主要通貨に対して強い動きを見せた。8月JOLT求人件数の減少を意識して長期債などの利回り水準は低下したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長の発言を受けてドルは下げ渋った。クラリダ副議長は国際金融協会(IIF)のオンライン年次総会での講演で、「量的緩和の縮小は間もなく正当化されるかもしれない」と述べており、FRBが年内に量的緩和策の段階的な縮小に着手するとの市場予想に沿った見解を伝えた。

ただ、国際通貨基金(IMF)が12日発表した世界経済見通しによると、2021年の米国の成長見通しは、前回予測の7.0%から6.0%に下方修正されており、インフレの高止まりによって景気回復の勢いが鈍る可能性が高いことを示唆している。米国におけるインフレ圧力がすみやかに低下する可能性は低いことから、利上げ時期は早まるとの見方が増えているようだが、中国経済の見通しは不透明であり、資源価格は高止まりしていることから、米国の金利見通しについて予断を持つことは一層難しくなりそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米国金利の先高観台頭でドル買い継続も