■NY株式:NYダウ117ドル安、金利先高感が重し

米国株式市場は続落。ダウ平均は117.72ドル安の34378.34ドル、ナスダックは20.27ポイント安の14465.93で取引を終了した。8月求人件数が年初来初めて減少したため雇用回復への懸念に、寄り付き後、下落。インフレ指標発表を今週控えていることや、連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長やボスティック米アトランタ連銀総裁が11月の資産購入縮小を支持する考えを示したため金利先高感が重しとなり、引けにかけて、下げ幅を拡大した。セクター別では自動車・自動車部品、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、電気通信サービスが下落。

工業・建設資材の供給会社ファスナル(FAST)は第3四半期決算の内容が予想を上回り買われた。バイオのモデルナ(MRNA)は同社製の新型コロナウイルスのブースター接種の必要性を支援するデータ結果を発表し上昇。また、スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)、旅行情報・予約サイト運営のエアビーアンドビー(ABNB)やカジノ・リゾートを経営するMGMリゾーツ・インターナショナル(MGM)は、アナリストの投資判断引き上げでそれぞれ上昇した。一方で、ゼネラル・エレクトリック(GE)はJPモルガンが投資判断を引き下げで下落。

携帯端末のアップル(AAPL)は18日にスペシャルイベントを開催することを発表。さらに、取引き終了後、半導体不足で、アイフォーン生産目標を引き下げる計画だと報じられ時間外取引で売られている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米金利先高観でドル強含み

12日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円36銭から113円79銭まで上昇し、113円61銭で引けた。米国債入札やインフレ指標の発表を今週控えて、債券売りが優勢となった。また、NY原油先物が80ドル台で推移、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長やボスティック米アトランタ連銀総裁が11月のテーパリング開始を支持する方針を示したため、金利先高観を受けたドル買いが優勢となった。その後発表された8月JOLT求人件が予想を下回ったため、ドル買いはやや後退した。

ユーロ・ドルは1.1559ドルから1.1524ドルまで下落し、1.1530ドルで引けた。ドイツの10月ZEW景気期待指数は予想以上に低下し、昨年3月来で最低となったことや、欧州中央銀行(ECB)のハト派発言がユーロ売り材料となった。ユーロ・円は130円91銭まで下落後、131円28銭まで上昇。ポンド・ドルは1.3637ドルまで上昇後、1.3570ドルまで下落。英中銀の年内の利上げ観測を受けたポンド買いが優勢となった。ドル・スイスは0.9280フランから0.9313フランまで上昇した。


■NY原油:上げ渋りで80.64ドル、株安などを意識した戻り売りも

NY原油先物11月限はもみ合い(NYMEX原油11月限終値:80.64 ↑0.12)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+0.12ドルの80.64ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは79.47ドル-81.62ドル。ニューヨークジア市場の序盤にかけて79.47ドルまで下げたが、需給関係のひっ迫を意識した買いが入ったことで81.62ドルまで戻した。しかしながら、ドル高や株安を意識した売りが増えたことで上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では、主に80ドル台半ば近辺で推移した。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  43.54ドル   -0.24ドル(-0.55%)
モルガン・スタンレー(MS) 97.78ドル   +0.49ドル(+0.50%)
ゴールドマン・サックス(GS)386.53ドル  +1.29ドル(+0.33%)
インテル(INTC)        52.17ドル   -1.27ドル(-2.38%)
アップル(AAPL)        141.51ドル  -1.30ドル(-0.91%)
アルファベット(GOOG)    2734.26ドル -42.69ドル(-1.54%)
フェイスブック(FB)     323.77ドル  -1.68ドル(-0.52%)
キャタピラー(CAT)      189.92ドル  -2.97ドル(-1.54%)
アルコア(AA)         47.78ドル   +0.49ドル(+1.04%)
ウォルマート(WMT)      139.38ドル  -0.15ドル(-0.11%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 12日の米国市場ダイジェスト:NYダウ117ドル安、金利先高感が重し