9月1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:利食い優勢も政策期待が高まりやすいなかで押し目買い意欲は強い
■菱洋エレク、2Q営業利益28.2%増 9.49億円、
■前場の注目材料:アマダ、材料供給装置一体のプレス自動化システム、簡易操作


■利食い優勢も政策期待が高まりやすいなかで押し目買い意欲は強い

1日の日本株市場は、利食い優勢の動きながらも底堅さが意識されやすい相場展開が見込まれる。8月31日の米国市場ではNYダウが39ドル安だった。予想を下回った8月シカゴ購買部協会景気指数や消費者信頼感指数が嫌気された。また、月末だったこともあり、利益確定売りも目立ち、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円安の28070円。円相場は1ドル109円90銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢から始まることになりそうだ。ただし、昨日の大幅な上昇で節目の28000円を回復したこともあり、反動安は意識されやすいところである。月末安のアノマリーは11カ月連続でストップし、予想外の大幅上昇によって需給状況は改善された可能性もありそうだ。昨日の上昇は先物主導によるインデックス売買が中心であり、買い戻しに裁定買いの動きが強まった影響が大きかった。

上昇のきっかけとしては、衆院選を巡り内閣改造を検討しているほか、追加経済対策への思惑などによる政策期待の高まりとみられている。政策期待が一段と強まりやすくなるなか、ショート筋にとってはいったんカバーを進めておきたいところであろう。昨日はショートカバーが入ったものの、注目されていたクレディスイスはカバーの動きを見せておらず、依然としてショートに傾いていると見られる。日経平均の28000円固めから、抵抗線として意識されている75日線水準を捉えてくるようだと、ショートカバーの動きが強まる可能性も期待されやすいだろう。

なお、反動安が意識されやすいなか、物色の流れとしては政策期待が高まりやすいなかでテーマ性のある銘柄に個人主体の資金が向かいやすいだろう。コロナ対策のほか、脱炭素、選挙関連などへの値幅取り狙いの物色が強まりそうである。また、マザーズ指数は75日線、13週線を捉えてきており、調整トレンドが転換してくる可能性もあり、中小型株への物色も活発になりそうだ。


■菱洋エレク、2Q営業利益28.2%増 9.49億円、

菱洋エレク<8068>は第2四半期決算を発表。売上高は前年同期比14.5%増の522.64億円、営業利益は同28.2%増の9.49億円だった。パソコン向け半導体が増加したほか、半導体/デバイスについても、デジタル家電向け半導体が増加した。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(28089.54、+300.25)
・1ドル109円90-00銭
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・アマダ<6113>材料供給装置一体のプレス自動化システム、簡易操作
・H2Oリテイル<8242>関西スーパーを子会社化、1年半めどに運営統合
・ルネサス<6723>アナログ半導体大手の英社買収完了、6240億円
・明電舎<6508>EVモーターなど中国で生産、年産能力10万台
・豊田合成<7282>廃ゴムのリサイクル加速、専用施設で脱硫10分
・日本精工<6471>EV対応加速、イーアクスル製品続々
・サイバーダイン<7779>米で医療機器登録
・住友化学<4005>韓でフォトレジスト、需要増・BCP対応
・三菱マテリアル<5711>耐熱・柔軟な「金属ゴム」、航空宇宙など向け


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 4-6月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:+3.5%、1-3月期:-7.8%)
・10:30 若田部日銀副総裁あいさつ

<海外>
・10:30 豪・4-6月期GDP(前年比予想:+9.1%、1-3月期:+1.1%)
・10:45 中・8月財新製造業PMI(予想:50.1、7月:50.3) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~利食い優勢も政策期待が高まりやすいなかで押し目買い意欲は強い~