12日の日経平均株価は5営業日ぶりに反落。42.86円安の29520.07円(出来高概算13億4398万株)で取引を終了した。好調な企業業績を背景に買いが先行したほか、2月限オプションの特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買が225型では買い越しとなったことから、日経平均は続伸して始まった。しかし、その後は急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定売りが先行したものの、買い遅れている投資家からの押し目買いも散見されるなど、売り買いが交錯するなか、小幅に反落した。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超え過半数を占めているが概ね拮抗の状況。セクター別では、金属製品、証券、銀行、その他製品、石油石炭が堅調。半面、海運業が4%を超える下落となったほか、ガラス土石、電力ガス、その他金融、水産農林がさえない。指数インパクトの大きいところでは、バイデン政権が半導体不足への対応を検討していると伝わり、SOX指数の大幅な上昇を受けた東エレク<8035>、アドバンテス<6857>など半導体株のほか、信越化<4063>、資生堂<4911>、トヨタ<7203>が堅調。一方、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、テルモ<4543>が軟調だった。

週末要因のほか、決算発表がピークとなることもあり、国内機関投資家の動きが鈍いことも買い見送り要因につながったようだ。しかし、ワクチン接種が国内でも近く始まることから、コロナ後の世界的な景況感の改善を織り込みに行く動きが今後本格化することが想定されるため、景気に敏感なバリュー株の底上げに対する期待感も底流にあり、売りが一巡すると押し目を拾う動きもみられていた。

一方で成長性の高いグロース企業の代表である半導体関連や電子部品関連企業では、市場予想を上回る好調な決算を発表しているところが多く、業績拡大に対する期待感は根強い。決算発表後に目先の材料出尽くし感から利益確定売りに押される銘柄が目立ったが、業績改善期待を支えにした上昇基調が大きく変化するとも想定しにくいだけに、グロース、バリューといった明確な物色のシフトというよりは、当面は下値の堅さが意識される堅調展開が続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 高値警戒感からの利食い売りと押し目買いが交錯【クロージング】