9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:決算を手掛かりとした業績相場への流れも強まる
■ソフトバンクG、3Q税前利益133.0%増 3兆3615億円
■前場の注目材料:ヤマトHD、ワクチン輸送、ヤマトなど3社、政府、事業者決定


■決算を手掛かりとした業績相場への流れも強まる

9日の日本株市場は、前日の大幅上昇に対する反動が意識されるものの、先高感の強い相場展開が続きそうである。8日の米国市場ではNYダウが237ドル高となり、NYダウ、S&P500、ナスダックは史上最高値を更新。大規模な追加経済対策の成立期待が高まる中、イエレン財務長官は「1.9兆ドルの追加経済対策が成立すれば、来年には完全雇用に戻る」と議会に成立を促したことがより期待感を高めた。原油高や新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいること、国内での新型コロナの感染拡大が鈍化傾向にあることも支援材料となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の29435円。円相場は1ドル105円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まりそうだが、前日の大幅上昇に対する反動は想定内であり、押し目買い意欲は強そうである。また、ソフトバンクG<9984>が発表した第3四半期決算は、売上高は前年同期比6.1%増の4兆1380.38億円、税前利益は同133.0%増の3兆3615.04億円だった。世界的な株高を追い風に、投資ファンド「ビジョン・ファンド」の運用成績が改善した。決算評価の流れが意識されやすく、日経平均をけん引することが期待される。

また、米国ではSOX指数が上昇しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への波及が見込まれる。台湾積体電路製造(TSMC)が日本に初の本格的な開発拠点を設けると報じられていることも、ハイテク株への資金流入に向かわせそうである。そのため、日経平均は29500円辺りでの攻防を意識しつつ、29000円前半レベルに調整する局面においては押し目狙いのスタンスになりそうである。その他、ビットコインが高値を更新しており、やや投機的な資金も活発化しやすいと考えられる。

昨日はインデックス売買主導の展開となり、指数の上昇ほど個別でのインパクトが限られていたが、本日については指数が高止まりとなるなか、個別材料株などへの物色が活発になりそうである。そのほか、決算を手掛かりとした業績相場への流れも強まろう。


■ソフトバンクG、3Q税前利益133.0%増 3兆3615億円

ソフトバンクG<9984>が発表した第3四半期決算は、売上高は前年同期比6.1%増の4兆1380.38億円、税前利益は同133.0%増の3兆3615.04億円だった。世界的な株高を追い風に、投資ファンド「ビジョン・ファンド」の運用成績が改善。通信子会社ソフトバンクも堅調だった。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(29388.50、+609.31)
・NYダウは上昇(31385.76、+237.52)
・ナスダック総合指数は上昇(13987.64、+131.35)
・シカゴ日経225先物は上昇(29435、大阪比+25)
・SOX指数は上昇(3078.48、+93.47)
・米原油先物は上昇(57.97、+1.12)
・日銀のETF購入
・海外コロナ向けワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化


・ヤマトHD<9064>ワクチン輸送、ヤマトなど3社、政府、事業者決定
・ルネサス<6723>英半導体を6157億円で買収、車載・産業向け攻勢
・島津製<7701>PCR試薬キット、物に付着のウイルス検出
・昭和電工<4004>AMI株50%取得、電炉運転ソフト、提案力底上げ
・いすゞ<7202>22年度に電動トラック量産、物流の脱炭素化推進
・大豊工業<6470>中国で軸受材料を増産、ディーゼルエンジン向け
・昭電線HD<5805>10ギガヘルツ対応の車載用高速伝送ケーブル開発
・大日印<7912>「フェリカ」に指紋認証機能、なりすまし防止
・日本製鉄<5401>東京製綱TOB、CFCC認識に開き、日本製鉄が手法改善要求
・住友化学<4005>液浸ArF・EUV向けフォトレジスト増産、大阪で設備増設
・富士フイルム<4901>米でiPS細胞創薬支援、不整脈発生リスク予測


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 12月毎月勤労統計・現金給与総額(前年比予想:-4.8%、11月:-1.8%)
・08:50 1月マネーストックM3(前年比予想:+7.6%、12月:+7.6%)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~決算を手掛かりとした業績相場への流れも強まる~