30日の日経平均は続落。60.84円安の20942.53円(出来高概算11億1000万株)で取引を終えた。出来高は膨らまず狭いレンジでの推移が続く中、5月半ばに付けた20750円処は上回ってはいるが、終値ベースでは約2カ月ぶりに節目の21000円を下回っている。29日の米国市場は、中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることが報じられ、米中対立の長期化が世界経済に悪影響を与えるとの見方が強まった。これにより、NYダウは連日で200ドルを超える下落となっており、この流れから先物主導による売りが先行した。ただし、下値の堅さが意識されていたほか、円相場はやや円安に振れて推移していたこともあり、ハイテクなど景気敏感株の一角には買い戻しの動きがみられている。一方で、内需ディフェンシブ系が弱含みとなるなど、リターン・リバーサルの動きが中心だった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、過半数を占めている。セクターではパルプ紙、医薬品、サービス、その他製品、食料品、精密機器、不動産、小売が軟調。半面、石油石炭、鉱業、保険、海運、非鉄金属、ゴム製品、銀行がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、アステラス薬<4503>、リクルートHD<6098>が重石となった。一方で、東エレク<8035>、ファナック<6954>が下支えに。

日経平均は日中130円程度の値幅での推移となり、下落ながらも日中の高値で取引を終えており、底堅さは意識されるところ。ただし、心理的な節目である21000円を約2カ月ぶりに終値で下回ったことから、センチメントはやや悪化傾向であろう。また、物色をみても方向性はなく、リバランスの動きが中心であった。外部環境の不透明感から引き続き積極的な物色は手控えられると考えられ、米中貿易摩擦の行方についても、少なくとも6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談を予定していることから、それまでは大きな進展もないだろう。下へも仕掛けづらい需給状況でもあり、引き続きリバランス中心になりやすい。

そのため、ゴールデンウィーク明け後から売り込まれているハイテクセクターなどへは、先行き不透明ながらも、いったんは買い戻しを意識した短期的な値幅取り狙いの売買が意識されやすい。また、個人は直近IPOや値動きの軽い材料株物色などに資金が向かいやすいだろう。本日は中国が米国への対抗措置としてレアアースの輸出制限を検討していることを受けて、レアアース関連が物色されていた。米中関係が泥沼化する中、レアアース関連はしばらく材料視されそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 リバランス中心で個人は材料株にシフトへ【クロージング】