7日の日経平均は3日続落。140.80円安の21456.01円(出来高概算12億5000万株)で取引を終えた。経済協力開発機構(OECD)が世界経済見通しを3.5%から3.3%に引き下げた影響から、売り優勢の相場展開となった。OECDは英国の合意なきEU離脱、債務増大による金融の脆弱性などリスクが積み上がる中、状況はむしろ悪化する恐れがあるとの見解を示したほか、米経済見通しも若干引き下げたことが重石となった。ただし、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、大きなトレンドが出難い需給状況でもあり、21500円を下回って始まった日経平均は、日中は50円程度の狭いレンジ取引が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは非鉄金属、電気機器、海運、金属製品、銀行、機械、証券が軟調。一方で、水産農林、石油石炭、不動産、陸運、空運が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、東エレク<8035>、エーザイ<4523>が重石となった。

みずほ<8411>の構造改革に伴う大幅下方修正については、市場の見方は分かれていたようだが、今後は地方銀行等への広がりが警戒されている。また、ルネサス<6723>の工場停止報道が、中国の景気減速への警戒を強める格好となり、ハイテクや機械、素材等への売りにつながった。OECDの世界経済見通しの下方修正によって改めて景気減速への懸念が高まっており、センチメントを悪化させよう。

明日はメジャーSQ通過後の需給面の軽さを受けて、やや値動きが出やすくなりそうである。とは言え、米雇用統計の結果を見極めたいとのムードも強く、結果としては短期筋の売買に振らされやすいところである。また、明日にも日経225入替えが発表される見通しであり、候補銘柄としては村田製<6981>、オムロン<6645>、シャープ<6753>、ルネサスが予想されている。パイオニアの上場廃止に伴う入替えであり、村田製ともなるとインパクトが大きい分、資金捻出のための売りが警戒されるため、結果を見極めたいところでもある。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 米雇用統計や日経225入替えを見極め【クロージング】