■NY株式:NYダウは158ドル高、貿易摩擦の過度な警戒感が一服

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は158.80ドル高の26405.76、ナスダックは6.07ポイント安の7950.04で取引を終了した。米中貿易摩擦の過度な警戒感が一服し、アジア・欧州株がほぼ全面高となり、米国株にも買いが先行。中国の李克強首相が輸出競争力を向上させるために人民元切り下げを行わないと発言し、貿易摩擦への懸念が後退した。S&P500やダウは上昇したものの、主要ハイテク株には売りが広がった。セクター別では、銀行や自動車・自動車部品が上昇する一方で商業・専門サービスや公益事業が下落した。

米長期金利の上昇でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軒並み上昇。中国オンライン小売大手のアリババ・グループ(BABA)は、独ソフトウェアのSAP(SAP)との提携延長計画を発表し堅調推移。中国での売上比率の大きい航空機メーカーのボーイング(BA)や建設機械のキャタピラー(CAT)が買い戻された。一方で、製薬のアッヴィ(ABBV)は、処方箋販売を巡る贈賄の疑いで起訴され下落。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)は、増配を発表したものの、市場予想を下振れ失望売りが広がった。

本日、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)交渉が再開されたものの、週内に合意に至る可能性は低く、来週にずれ込む公算が高いとの見方が強まっている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:ポンド弱含み、合意なしのEU離脱を警戒

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円39銭まで上昇後、112円16銭へ反落し、112円27銭で引けた。8月の米住宅着工件数は市場予想を上回ったことや、米10年債利回りが続伸したことから、ドル買いが優勢となった。その後、クロス円取引に絡んだドル売りが増えたことによってドル・円は伸び悩んだ。

ユーロ・ドルは、1.1650ドルまで下落後、1.1692ドルまで反発し、1.1675ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測に伴いユーロ売り・ドル買いが継続した。ユーロ・円は、130円79銭まで下落後、131円31銭まで反発。ポンド・ドルは、1.3120ドルから1.3170ドルの範囲内で戻りの鈍い展開となった。ユンケル欧州委委員長やアイルランド首相が、欧州連合(EU)と英国が離脱で合意するには程遠いと悲観的な見方を示したため、合意なしの離脱への警戒感が再燃し、ポンド売りが優勢となった。ドル・スイスは、0.9700フランまで上昇後、0.9664フランまで下落した。


■NY原油:大幅続伸で71.12ドル、ガソリン在庫減少などを意識した買い

NY原油先物10月限は大幅続伸(NYMEX原油10月限終値:71.12 ↑1.27)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+1.27ドルの71.12ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時71.50ドルまで買われた。米週間在庫統計で、原油とガソリン在庫が減少したため、供給不安を受けた買いが継続した。原油在庫の減少幅は市場予想を下回ったが、ガソリン在庫は微増予想に反して171.9万バレル減少したことが買い材料となった。また、サウジアラビアは一定の原油高を容認するとの観測も引き続き材料視されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  31.00ドル   +0.79ドル(+2.62%)
モルガン・スタンレー(MS) 49.10ドル   +1.25ドル(+2.61%)
ゴールドマン・サックス(GS)235.58ドル  +6.69ドル(+2.92%)
インテル(INTC)        46.15ドル   +0.05ドル(+0.11%)
アップル(AAPL)        218.37ドル  +0.13ドル(+0.06%)
アルファベット(GOOG)    1171.09ドル +9.87ドル(+0.85%)
フェイスブック(FB)     163.06ドル  +2.76ドル(+1.72%)
キャタピラー(CAT)      152.76ドル  +3.69ドル(+2.48%)
アルコア(AA)         42.63ドル   -0.49ドル(-1.14%)
ウォルマート(WMT)      95.24ドル   -0.19ドル(-0.20%)
スプリント(S)         6.36ドル   -0.06ドル(-0.93%)








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情報提供元: FISCO
記事名:「 19日の米国市場ダイジェスト:NYダウは158ドル高、貿易摩擦の過度な警戒感が一服