■NY株式:NYダウは95ドル高、ハイテク株に利益確定広がる

7日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は95.02ドル高の25241.41、ナスダックは54.17ポイント安の7635.07で取引を終了した。トランプ政権が中国の通信機器企業への制裁解除で合意し、米中の通商問題を巡る緊張緩和が好感され買いが先行。しかし、週末のG7首脳会議や来週の米朝首脳会談、FOMC結果を見極めたいとの思惑から、上昇が続いていたハイテク株を中心に利益確定の動きが広がり、小動きとなった。セクター別では、家庭用品・パーソナル用品やエネルギーが上昇する一方でソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置が下落した。

半導体メーカーのラムリサーチ(LRCX)は、一部アナリストが足元の出荷リスクを指摘し下落。短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、10億ドルの転換社債を発行し、軟調推移。SNSのフェイスブック(FB)は、プライバシー設定のバグによって1400万のユーザーの非公開投稿が公開されていた不具合が明らかとなり下落。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)や検索大手のアルファベット(GOOGL)など、その他主要ハイテク株も軒並み売られた。一方で、原油相場の上昇を受けてエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)などエネルギー関連会社が堅調推移。製薬のアラガン(AGN)は、著名投資家カール・アイカーン氏が再び同社株式を取得したことが明らかとなり上昇した。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏とJPモルガン(JPM)のダイモンCEOは、四半期毎の業績ガイダンス(予想)を示すことが、上場企業経営陣が長期的な経営戦略や成長性を追求することの妨げになっているとして、四半期毎の業績予想を示す慣習を改めるよう呼びかけた。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米朝首脳会談への期待後退でドル弱含み

7日のニューヨーク外為市場でドル・円は、110円07銭から109円48銭まで下落し、109円70銭で引けた。日米首脳会談を控えて警戒感が広がり、円売りは後退した。また、トランプ米大統領が「北朝鮮が核兵器開発を断念しなければ合意はない」と断固とした姿勢を示すと、米朝会談への期待は後退し、米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いが優勢となった。

ユーロ・ドルは、1.1840ドルまで上昇後、1.1796ドルまで反落し、1.1799ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が緩和策の出口戦略に関する協議を開始するとの思惑を受けたユーロ買いが継続。ユーロ・円は、130円28銭まで上昇後、129円31銭まで反落した。ポンド・ドルは、1.3373ドルまで下落後、1.3454ドルまで反発した。ドル・スイスは、0.9827フランから0.9789フランまで下落した。


■NY原油:反発で65.95ドル、原油増産の思惑はやや後退

NY原油先物7月限は反発(NYMEX原油7月限終値:65.95 ↑1.22)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比+1.22ドルの65.95ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時66.07ドルまで買われた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国やロシアによる原油増産の有無を見極める必要があるとの見方が広がり、短期筋などの買いが入った。今月22日に開かれるOPEC総会で原油増産について議論される見込みだが、小幅な増産にとどまるとの見方が出ているようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  30.09ドル   +0.05ドル(+0.17%)
モルガン・スタンレー(MS) 52.14ドル   +0.23ドル(+0.44%)
ゴールドマン・サックス(GS)233.45ドル  +1.22ドル(+0.53%)
インテル(INTC)        55.88ドル   -1.15ドル(-2.02%)
アップル(AAPL)        193.46ドル  -0.52ドル(-0.27%)
アルファベット(GOOG)    1123.86ドル -13.02ドル(-1.15%)
フェイスブック(FB)     188.18ドル  -3.16ドル(-1.65%)
キャタピラー(CAT)      156.29ドル  -0.22ドル(-0.14%)
アルコア(AA)         49.19ドル   -0.94ドル(-1.88%)
ウォルマート(WMT)      84.95ドル   +0.39ドル(+0.46%)
スプリント(S)         5.22ドル   -0.01ドル(-0.19%)








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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の米国市場ダイジェスト:NYダウは95ドル高、ハイテク株に利益確定広がる