16日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:薄商いのなか先物に振らされやすい需給状況
■決算チェック:三井ハイテの19年1月期営業利益は30%減の見通し、増産対応響く
■前場の注目材料:船井電機、タイでEV部品、今秋量産、日系VBに供給


■薄商いのなか先物に振らされやすい需給状況

16日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。15日の米国市場は、NY連銀製造業景況指数が予想を上振れるなど経済指標の結果が材料視されるものの、米中貿易摩擦への警戒感が根強く、上値の重い展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円高の21655円だった。

NYダウの上昇の流れから、やや買い先行の展開になろう。ただし、ナスダックとSOX指数は小安く、ハイテク株の弱さが重石になる可能性がある。また、昨日はコーン国家経済会議(NEC)議長の後任に保守系の著名経済評論家ラリー・カドロー氏を起用することが伝えられたが、トランプ政権は「米国第一主義」を一段と推し進める陣容になりつつある。貿易戦争への懸念が高まりやすく、積極的な売買は手控えられやすい。

また、モラー米特別検察官は、ロシアによる2016年の大統領選介入でトランプ陣営の共謀疑惑を巡る捜査で、トランプ大統領の一族が経営する企業に召喚状を送付したと米メディアが報じている。トランプ政権運営に対する不透明感も神経質にさせそうだ。さらに、国内では森友スキャンダルの行方が見極めづらく、引き続き商いが膨らみづらい中、先物主導のインデックス売買に振らされやすいだろう。心理的な支持線として意識されている25日線を挟んでの推移といったところか。

物色は日経平均がこう着のなか、中小型株を中心に業績のほか、格上げ等を手掛かりとした個別物色ではあるが、値ごろ感からの水準訂正の動きに期待。また、調整が長かった銘柄等へは値幅取り狙いが意識されそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■三井ハイテの19年1月期営業利益は30%減の見通し、増産対応響く

半導体用リードフレームや車載・家電用モーターコア製品を主力とする三井ハイテ<6966>の18年1月期営業利益は前期比17.6%増の21.42億円となり、従来予想の26.00億円(同42.8%増)を下回って着地した。原材料高と増産対応が響いた。続く19年1月期営業利益は同30.0%減の15.00億円と、市場予想の34億円程度を大きく下回る見通しだ。岐阜県の新工場建設や熊本県阿蘇工場の拡張など増産投資で減価償却費・人件費が増加し、利益面での負担となる。売上高は18年1月期に同20.5%増の787.27億円を達成し、19年1月期計画も前期比10.5%増の870億円となっており、ともに市場予想(それぞれ763億円、820億円程度)を大きく上回る。車載向け・環境対応製品向け・情報端末向け電子部品や車載向け・家電向け電機部品は好調を維持すると予想される。ただ、株価はまだ増産投資対応による今期営業利益の下振れを織り込んでいないとみられ、当面の軟調な動きが想定される。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(24873.66、+155.54)
・NY原油は上昇、(61.19、+0.23)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・マザーズは上昇(1250.75、+7.65)
・好業績銘柄への押し目買い意欲強い
・VIX指数は下落(16.59、-0.64)
・シカゴ日経225先物6月限(21655、+15)
・日経平均は上昇(21803.95、+26.66)

・船井電機<6839>、タイでEV部品、今秋量産、日系VBに供給
・三菱重<7011>、段ボール製造機械、欧で生産、EC拡大で需要増


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間10年超)(日本銀行)

<海外>
・特になし



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~薄商いのなか先物に振らされやすい需給状況