以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年8月16日17時に執筆

8月のお盆休みも終盤に差しかかるこの時期となれば気迷い気分色の強い相場が続くのもいたしかたない東京市場である。北朝鮮情勢に何らかの米朝合意を期待して株を買うのは無謀な賭けだろう。

そうした地合いの継続を想定した上でここから何に注目すればよいのか。そのひとつに今年に入ってから高値からの下落幅が大きい銘柄群に注目したいところだ。その中でも新規上場銘柄でIPO直後に形成された高値から男性的に売り込まれてきた銘柄の底打ち・出直り相場は年末にかけての仕込みどころと考える。

今日はそうした条件を備えた個別銘柄をピックアップしてみたい。

シャノン<3976>・・・2017年のIPO第1弾銘柄。高値7370円から直近安値2460円(8/14)と下げ幅は5000円に迫る。上場半年でいきなり通期業績の下方修正を行うなど、期待を大きく裏切ってきた銘柄だが、弱みである営業力の低さを有力企業との販売提携で補う布石を打っている。反発らしい反発がほとんどないチャートにも、そろそろ感を感じる。

アセンテック<3565>・・・高値8450円から直近安値4765円(8/4)をつけた後反発している。仮想デスクトップに関連する製品開発を手がけ、上期業績を上方修正したばかり。その際、通期の予想を据え置いていることで期末にかけて業績修正のアクションが期待できよう。

テモナ<3985>・・・高値10100円から直近安値5850円(8/16)まで40%強の調整中。EC事業者支援サービスが主力で今後越境ECが相場のテーマに浮上するときには名前が挙がりそうなポジションにある。公開株数が33万部程度と少なく、値が飛びやすい銘柄といえる。

ソウルドアウト<6553>・・・高値3200円から直近安値1731円(8/16)まで45%強の下落に見舞われている。大株主にオプト、ヤフーを配した安心感はピカイチ。IPOから日が浅いが北朝鮮情勢に翻弄されている面は否めず、中長期で直近高値奪還から一段高を想定する。

従来は新興市場銘柄の特長として事業モデルが内需型の会社が多く、主力株が円相場に大きく影響されるのに対し、ディフェンシブ的な要素を評価されてきた傾向があったが、ここ最近は地政学リスクに反応する円相場の動向次第では1部市場以上に売り込まれる場面も見受けられる。その振幅をうまく捉えて投資成果につなげたいものだ。


執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記




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情報提供元: FISCO
記事名:「 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:今年のIPO銘柄を洗い直す