*07:34JST NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で 米商務省が発表した7月個人所得は前月比+0.2%となった。伸びは予想外に6月+0.3%から鈍化し、昨年12月来で最低。一方、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.8%。伸びは6月+0.6%から予想以上に拡大し1月来で最高となった。インフレ調整後の実質個人支出も前月比+0.6%と、1月来で最大の伸びとなった。サービス支出は+0.4%。良好な天候で、レストランなどでの支出に拍車がかかった。一方で、消費支出を支える実質可処分所得は-0.2%。貯蓄率は3.5%と、11月来で最低となった。米国の貯蓄率はパンデミックによる政府支援策や経済封鎖の影響で2020年4月には過去最高となる33%に達したが、その後正常化しつつある。今後は、労働市場の悪化、支払い延滞率の上昇、学生ローン支払いの再開で消費者の財政状態が一段と悪化し、支出も鈍化する可能性が示唆された。

米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している燃料や食品を除いた7月のコアPCE価格指数は前年比+4.2%と、予想通り6月+4.1%から伸びが拡大。FRBが注目している住宅費や燃料、食品を除いたサービスインフレが+0.5%と年初来最大となったため、追加利上げの可能性は完全に払しょくされない。投資アドバイスなどのコストが押し上げた。このカテゴリーを除いたスーパーコアサービスインフレ率は+0.25%だった。今後、消費が想定されるとおり鈍化した場合は必然的にコアサービスインフレも低下し、FRBの利上げ打ち止めが正当化されることになる。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で