*07:51JST NYの視点:財政責任法案は下院で可決され上院へ、期限までに可決・成立の見通し 米下院は5月31日夜(日本時間6月1日午前)に開かれた本会議で、バイデン政権と下院共和党の連邦債務上限合意事項が反映された「財政責任法案」を賛成314、反対117の賛成多数で可決した。法案では、2025年1月1日まで債務上限の適用を停止し、今後2年間の連邦歳出に上限を設ける。法案はすみやかに上院に送られ、審議・採決される。イエレン財務長官によると、6月5日以前に連邦政府の法定債務上限が引き上げられるか適用停止とされない場合、米連邦政府は債務不履行に陥る可能性がある。上院での法案可決については、一部関係者は採決が難航する可能性があると警戒しているが、市場参加者の大半は賛成多数で問題なく可決されると予想している。早ければ6月1日にも上院での法案採決が行われる可能性がある。

米債務上限問題については、共和党における財政タカ派寄りの一部議員は反対の立場を変えていないことや民主党の一部議員も態度を保留していたことから、下院本会議での採決については楽観視できない状況が続いていた。結果的には、野党・共和党が過半数を握る議会下院での法案採決で、435議席のうち賛成314、反対117の賛成多数で可決された。(反対票のうち共和党は71、民主党は46)。上院でも一定数の反対票が投じられる見通しだが、賛成多数での可決が見込まれている。なお、民主党の一部議員は先週より「バイデン大統領は共和党案に譲歩しすぎている」と批判しており、現時点でも考え方を変えていないようだ。「財政責任法案」は期限までに可決・成立する見込みだが、一部民主党議員の行動が今後の議会運営に何らかの影響を及ぼす可能性は否定できないため、彼らの動向が注目される。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:財政責任法案は下院で可決され上院へ、期限までに可決・成立の見通し