DX時代において、日本が各国に後れを取らないためには、組織として「オープンイノベーション」のマインドを持つ必要がある。

「オープンイノベーション」とは、社内の人材や技術、ノウハウや知識といった資源だけでイノベーションを起こそうとするのではなく、外部の技術やアイデアなどの資源を積極的に取り入れ、これまでにない革新的な製品やサービスを生み出そうという概念である。

スタートアップとの連携を通じたオープンイノベーションに積極的な大企業の人気ランキング調査「イノベーティブ大企業ランキング2020」のうち上位10社におけるオープンイノベーション活動について見ていく。本調査はイノベーションリーダーズサミット(ILS)実行委員会が経済産業省と共同で実施した、国内や海外のベンチャーキャピタリストなど128名によって選出された有望スタートアップ企業約1,200社を対象としたアンケートである。

「イノベーティブ大企業ランキング2020」で上位となったのは、スタートアップ投資に積極的なKDDI、トヨタ自動車、ソフトバンクグループで、2019年に引き続きトップ3を維持した。JR東日本、ソニーが、昨年から順位を上げて新たに5位圏内へ、凸版印刷、三井不動産が10位圏内へランクインした。

【イノベーティブ大企業ランキング2020:TOP10】

■KDDI<9433>
2011年より50社以上の大企業と共同でスタートアップのビジネスモデルを活用して新規事業創出を目指す事業共創プログラム「KDDI ∞ Labo」を実施。DXや新規ビジネス開発拠点の開設や、地方創生向け新ファンドの立ち上げも行う。

■トヨタ自動車<7203>
パーソナルモビリティ「i-ROAD」の実用化に向け、組織の大きさに関わらず新しいサービスを提供している事業を活用。オープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT」で選定されたカリウスやギフティなど5社と共同開発を進める。

■ソフトバンクG<9984>
イノベーションの実現を目指す企業が連携し共創する法人パートナープログラム「ONE SHIP」を設立し、約300社が参画。AI、IoTなどのIT領域に加え、物流、不動産など、さまざまな分野に強みを持つ企業が集い、DXを推進。

■JR東日本<9020>
2017年より「JR東日本スタートアッププログラム」を実施し、計81件の提案を採択。鉄道事業や生活サービス事業、IT・Suica事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部実用化。オープンイノベーションによりMaaSを進める。

■ソニーG<6758>
新規事業の立ち上げから販売・拡大までをサポートするプログラム「Sony Startup Acceleration Program」を提供。サービス実績は13業界と幅広い。意欲のある人に体系的な学びを提供するなど人材育成にも力を入れる。

■NTT<9432>
オープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」やオープンイノベーションビジネスコンテスト開催等を通じ、革新的で持続可能なビジネスを創発。ノウハウを提供するオープンイノベーション支援も行う。

■凸版印刷<7911>
2017年より、同社と地域のパートナー企業で共創する”実証型”オープンイノベーションプログラム「co-necto」を実施。パートナー企業は、金融・製造・通信等、様々な業種。2016年から30社以上のベンチャー企業への投資も行う。

■三井不動産<8801>
2015年よりアーリー期のベンチャー企業を中心に投資、グロースステージのベンチャー企業を出資対象とした投資事業を行う。オープンイノベーション創造拠点やスタートアップ企業のためのワークスペースも展開。

■富士フィルムHD<4901>
東京・米国・欧州に「Open Innovation Hub」を開設。社外のビジネスパートナーと新たな価値を「共創」するという共通のコンセプトを持ちながら、それぞれの市場環境や地域特性に合わせた展示を行う。

■富士通<6702>
オープンイノベーションプログラム「FUJITSU ACCELERATOR」では、スタートアップと130件近くの協業実績。2019年には、世界最大級のスタートアップイベントにてスポンサー出展。最近の応募は約3割が海外のスタートアップ。

(「イノベーティブ大企業ランキング2020」を基にフィスコ調査)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 オープンイノベーションに積極的な企業とその取り組み