米国は最近、北朝鮮軍が30種類の生物・化学兵器を人体に試験するだけでなく、生きている人を運搬体としてバクテリア戦争に使うことも計画しているとの研究内容を発表した。そのなかに含まれる2種、炭疽菌と天然痘は、韓国大統領府用の可能性が最も高いという。

報告書は、北朝鮮は炭疽菌、天然痘、ペスト、コレラ、腸チフス、黄熱病、赤痢や他の薬剤など13種類の生物兵器と、水疱性、神経性、窒息性ガスなど17種類の化学兵器を持っていると推測している。

専門研究所と生産工場まで、発展しつづける北朝鮮兵器

ハーバード大学とAMPLYFI情報会社の研究チームは、半世紀にわたり北朝鮮の生物・化学兵器開発に関する情報を収集してきた。研究者らは人工知能ツールを用いて、生物関係のメッセージを含む84万のウェブサイトを訪れ、そのうちの23,000は北朝鮮と関連していた。

 「北朝鮮の生物兵器プログラム(NorthKorea’sBiologicalWeaponsProgram)」という調査の中で、平壌生物技術研究所(PyongyangBio-technicalInstitute)の写真を分析したことにより、該当機関が軍用生物兵器を大量に生産できると研究者らはいう。

韓国統一省2017年の報告書は、北朝鮮が上述の平壌生物技術研究所以外にも、定州市と文川市に秘密の生物・化学兵器工場で開発・生産する能力を保有していると伝えた。

 脱北者の一人は、北朝鮮が人体を使って生物・化学兵器を検査していると証言した。北朝鮮政府の非人道的な扱い方は、国際生物安全規範を明らかに遵守していない。

北朝鮮の攻撃方式、生きている人を運搬体にした攻撃も

 報告書はまた、「北朝鮮は生物兵器を、ほかの通常兵器の戦術にも組み合わせるだろう。ミサイル、無人航空機、航空機、噴霧器ーあるいは生きている人を、生物兵器を運搬するために利用するかもしれない」と述べている。

 ミサイルなどは着弾、爆発後の高温で、生物剤が変化する可能性があるため、その能力を維持することは困難とみられている。

 北朝鮮の軍事目標は常に、人の命よりも重要であるため、保菌者(キャリア)によって運ばれる方式で攻撃する可能性についても具体的に言及している。キャリアは、標的集団に病原菌を広げるために特別な訓練や技術を必要としないので、事前に検出することが困難であることも問題である。

 2月、金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された。金正男氏の顔に猛毒の神経剤VXをぬりつけ殺害したとして殺人の罪で起訴された。10月の初公判では、事件を鑑定した専門家が、実行犯とされる女二人の被告の衣類からVXが検出されたと証言した。

 報告書は、理論上、北朝鮮は掃除・消毒労働者として相手国に侵入し、生物剤を噴霧するために噴霧器を使ったり、または大都市圏の給水施設に細菌をばらまく代理人として送るかもしれないと指摘した。

(文=蘇漾/翻訳編集・齊潤)

【ニュース提供・大紀元】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 北朝鮮、炭そ菌など30種類保有、人で運ぶ戦略も=米韓研究