報道によると、中国銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席は27日、国営中央テレビ
(CCTV)のインタビューで「米国との貿易摩擦による中国金融市場への影響は限定的にとどまっており、今後の影響はさらに小さいものになる」との見方を示した。また、郭氏は、「中国政府は意図的に通貨を切り下げる措置をとったことはない」と述べており、
「人民元を空売りすれば多額の損失を被ることになる」と指摘している。中国の通貨当局は1ドル=7元が人民元相場の下限との方針を変えていないとみられるが、これまでのところ、人民元相場を意図的に押し上げる措置は講じていないようだ。

 市場関係者の間からは「通商問題などを巡る米中の対立が続いている間は人民元相場の反発は期待できない」との声が聞かれている。人民元相場の軟調地合いは豪ドル、NZドルや、一部新興国通貨の取引にも大きな影響を与えているが、米中対立の継続は主要国の金融政策にも無視できないほどの影響を与えているとみられており、市場関係者は事態の進展を慎重に観察していく必要がありそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 人民元安問題