北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が25日から28日まで中国を非公式に訪問し、北京で習近平国家主席と会談しました。マスコミ報道によると、両氏は来月開かれる予定の南北首脳会談と5月末までの実現を目指す米朝首脳会談についても協議したもようです。金正恩氏は「韓国と米国が我々の努力に善意で応え、平和の実現に向けて段階的な措置をとれば、非核化の問題は解決できる」と述べたそうです。

 一方、米ホワイトハウスのサンダース報道官は現地時間27日、同日の早い段階で中国政府から、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の訪中について説明があったと記者団に伝えまました。サンダース報道官は「米国は同盟国の韓国、日本と緊密に連絡を取っている」と述べていますが、安倍首相は28日午前の参院予算委員会で「重大な関心を持って情報収集、分析に努めている。中国側からもしっかりと説明を受けたい」と答えています。

 サンダース報道官の説明に誤りがないとすれば、北朝鮮が訪中した背景や理由について安倍首相(日本側)に詳しく伝わっているはずです。日本側が独自に情報収集することは当然かもしれませんが、識者の間では「米国側から十分な情報は提供されていないのではないか?」との声も聞かれています。この点は少々気がかりです。

 なお、主要メディアによると、安倍首相は4月17-18日に米フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘を訪れ、18日にも日米首脳会談を行う方向で日米政府は最終調整に入ったもようです。4月に行なわれる日米首脳会談は、米朝首脳会談が5月中に行なわれることを前提にしたものになるかもしれません。北朝鮮の非核化については懐疑的な意見が少なくないものの、米国、中国、韓国、北朝鮮の4者が実現に向けて大きく動き出していることは否定できません。日本にとっても望ましい動きであり、日本がうまくアシストできれば、経済的な恩恵も期待できるはずです。株式市場にとっても大きなプラス材料になるはずであり、事態の進展に要注目です。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 中朝首脳会談