トランプ米大統領は13日、ティラーソン国務長官の解任を発表しました。先日辞任を発表したコーン米国家経済会議(NEC)委員長など、政権高官の離職が相次いでいることから、トランプ米政権への先行き懸念は再び強まり、13日のNYダウ平均は171.58ドル安、ナスダック総合も77.31ポイント安とさえない相場展開になりました。

 外為市場ではドルは主要通貨に対して反落。ドル・円は一時107円台前半まで買われていたものの、106円46銭まで反落しました。13日に発表された2月米消費者物価指数(CPI)は市場予想と一致しており、年3回の利上げが想定されていますが、利上げペースが加速するとの見方は増えていません。

 米トランプ政権の不確実性が再び高まっていることから、米国株式は不安定な状態が続く可能性があります。日本側でも森友学園との国有地取引に関する財務省の決裁文書が改ざんされた問題を巡って、安倍政権の支持率低下は避けられない状況となっています。安倍首相は14日午前の参院予算委員会で「私から指示したことはまったくない」と述べ、改ざんへの自身の関与を強く否定していますが、決済文書から安倍首相の名前が削除されていた事実は重いだけに、今後の国内政治の動向については予断を許さない状況が続くと思われます。日米の政治リスクを意識して、為替相場はもみ合いを続けるかもしれませんが、米長期金利が伸び悩んだ場合、ドル・円相場は3月末にかけてじり安の展開となりそうです。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日米の政治リスク