日経平均は反落。144.80円安の21442.98円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。

 8日の米株式市場でNYダウは続落し、313ドル安となった。中国がウイグル族を弾圧しているとして、トランプ政権が政府機関や監視カメラ企業など28の機関・企業を禁輸措置の対象に加えたと発表。中国政府高官へのビザ発給を制限することも明らかになった。中国側は会談日程の短縮など何らかの報復措置を検討していると伝わり、米中摩擦への懸念が強まった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで227円安からスタート。しかし、円相場が1ドル=107円台と伸び悩んでおり、日経平均は寄り付きを安値にやや下げ渋った。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強、対して値上がり銘柄は3割弱となっている。

 個別では、ソフトバンクG<9984>やキーエンス<6861>が軟調で、ソニー<6758>や東エレク<8035>は小安い。アドバンテス<6857>とSUMCO<3436>が3%超下落し、ルネサス<6723>が5%近く下落するなど半導体関連株の下げが目立つ。前日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大きく下落し、東京市場でも関連銘柄に売りが波及したようだ。減損損失の計上で業績予想を下方修正したAGC<5201>は3%の下落。中小型株ではオルトプラス<3672>が大幅続落し、神東塗料<4615>などとともに東証1部下落率上位に顔を出した。一方、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>は小じっかり。花王<4452>など内需・ディフェンシブ系銘柄にも資金が向かったようだ。中小型株ではコロプラ<3668>が急反発し、決算発表の井筒屋<8260>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、鉱業、金属製品、石油・石炭製品などが下落率上位で、その他も全般軟調。電気・ガス業とその他製品のみ上昇した。

 10日から開かれる米中閣僚級協議を前に、制裁の応酬が激しさを増してきた。前日の米NYダウが300ドルを超える下落となり、東京市場でも半導体関連などの景気敏感株を中心に売りが先行した。とはいえ、トヨタ自が小じっかりとなっているところなどを見ると、円相場の伸び悩みが株式相場を下支えしているようだ。前日も指摘したとおり、トヨタ自など輸出企業の株価は今月下旬からの決算発表を前に為替動向に敏感となっている印象だ。日経平均は寄り付きを安値に下げ渋り、日足チャート上では21400円台に位置する5日移動平均線水準まで値を戻している。

 このところ日中に大きく売り込まれる場面が少ないため、「底堅い」と見る向きも多い。ただ、米国発の米中問題に関する報道に市場の関心が集まる一方で、国内には手掛かりとなりそうな材料が乏しく、日中は積極的な売買が手控えられているとも考えられる。今週に入り東証1部売買代金は連日で2兆円を下回っており、本日も前場でおよそ8300億円にとどまる。なお、10日からの米中閣僚級協議のみならず、今晩の米国で公表される連邦公開市場委員会(FOMC、9月17-18日開催)議事録や、足元で発表が本格化している小売大手の決算なども注目される。後場の日経平均は下げ渋る場面もあるだろうが、マイナス圏でのもみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は反落、米中懸念で売り先行も「底堅い」印象だが