日経平均は反発。222.82円高の22183.53円(出来高概算6億1424万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、注目されていた米連邦公開市場員会(FOMC)で大方の予想通り、FF金利の誘導目標を25ベーシスポイント引き下げることが決定。利下げへの意見が分かれたが、市場の反応は限定的であり、NYダウは上昇。シカゴ日経225先物清算値は大阪比110円高の21910円、為替市場で1ドル=108円40銭台まで円安が進行するなか、本日の日経平均は100円以上の上げでスタート。米金融イベントの通過に伴うアク抜け感も重なり、寄り付き直後の日経平均の上げ幅は一時300円に迫った。その後は、4月24日につけた日経平均のザラ場高値22362.92円を前に利益確定の動きもみられ、前引けにかけて上げは一服。中国・上海総合指数をはじめとしたアジア株式市場の上値が重いなか、日銀政策委員会・金融政策決定会合の決定内容発表や大引け後の黒田日銀総裁会見を前に、様子見姿勢の強まりも意識された。

 セクターでは、東証全33業種が上昇するなか、電気・ガスが2%高になったほか、証券商品先物、繊維製品、サービス業、建設業が上昇した。売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、リクルートホールディングス<6098>、ファーストリテ
<9983>、三菱UFJ<8306>、コロプラ<3668>、アドバンテスト<6857>、富士通<6702>、アンリツ<6754>が上昇。一方で、ソニー<6758>、ZOZO<3092>、ソフトバンク<9434>、JT<
2914>は軟調。

 日銀政策委員会・金融政策決定会合では、金融緩和政策の現状維持が決定した。長期金利誘導目標「0%程度」、短期政策金利「-0.1%」に据え置いた内容は想定線であり、ランチタイムの225先物も堅調推移を継続している。本日15時半から控える黒田日銀総裁の会見では、米国・欧州の中銀による金融緩和決定を受け、長期金利の変動幅拡大やフォワードガイダンスの強化への見解に注目が集まっているようだ。

 前引け時点での東証規模別株価指数では、中小型株優位の展開となった。日経平均の上値が重くなるなかで、物色としても足元で売られていたグロース株や各種テーマ株に対する押し目買いの動きも目立ってきている。特に「5G」テーマに関しては、NTTドコモ<9437>が明日から開催されるラグビーワールドカップ日本大会の試合会場などでの試験サービス開始を明らかにしたタイミングでもあり、関心が向かいやすくなっているようだ。同大会は、約1ヵ月半というスポーツイベントとしてはかなりの長期間
(東京五輪は約半月、サッカーW杯は約1ヶ月)で開催され、経済規模も4300億円を超えるといわれている。先んじて関心の向かっているハブ<3030>やゴールドウイン<8111>に対する短期資金の動向にも注目が集まろう。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は反発、中小型株物色の継続に注目