日経平均は反発。103.83円高の21553.22円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。

 26日の米株式市場でNYダウは33ドル安と3日ぶりに反落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利上げを見送る姿勢を示し、上昇に転じる場面があったものの、アジア・欧州株安の流れを引き継いで利益確定売りが優勢となった。為替相場も1ドル=110円台半ばと前日に比べ円高方向に振れたが、本日の日経平均は55円高からスタートすると、朝方には一時21565.21円(115.82円高)まで上昇した。内需株を中心に買いが入り、相場を押し上げた。ただ、今夕から始まる米朝首脳会談などの重要イベントを控え模様眺めムードも強く、買い一巡後は高値圏でこう着感の強い展開となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の5割強となっている。

 個別では、武田薬<4502>が売買代金トップで2%超の上昇。同業シャイアーの買収に伴い発行した新株の一部が28日から東証株価指数(TOPIX)に組み入れられることから、買い需要の発生を見越した動きがあった。ファーストリテ<9983>も2%超上昇して日経平均を約43円押し上げた。ZOZO<3092>は値引き表示の見直しが伝わり、買い戻し優勢で4%超の上昇。昭電工<4004>や東海カーボ<5301>といった黒鉛電極関連も上げが目立つ。その他売買代金上位では、任天堂<7974>、ソニー<6758>、資生堂<4911>などが堅調。また、ショーケース<3909>やエンビプロHD<5698>はストップ高水準まで買われている。一方、ソフトバンクG<9984>が小安いほか、キーエンス<6861>、村田製<6981>、ファナック<6954>などのハイテク株がさえない。また、新株予約権発行を発表したネオス<3627>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、医薬品、建設業、不動産業などが上昇率上位。反面、機械、電気機器、食料品などが下落率上位だった。

 前日の米国株の下落は織り込み済みだったとみられ、本日の東京市場では断続的な売り方の買い戻しが入ったようだ。しかし、上値追いの動きは限定的で、前場の日経平均は上下の値幅が70円強にとどまった。東証1部売買代金は1兆円を下回っている。今夕からの米朝首脳会談に加え、英議会による欧州連合(EU)離脱方針の採決が控えるほか、翌28日には中国の2月製造業購買担当者景気指数(PMI)や米国の昨年10-12月期国内総生産(GDP)
といった経済指標の発表が予定される。これらの内容を見極めたいとの思惑から、後場は模様眺めムードが強まりそうだ。

 主力株の買いが手控えられ、個人投資家の物色は引き続き中小型株へ向かっている。マザーズ指数は8日続伸しており、アンジェス<4563>は利益確定売りが先行したものの、押し目買いが入り下げ渋っている。バイオ株ではSOSEI<4565>などの上げが目立ち、個人投資家の物色意欲は依然旺盛のようだ。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は反発、買い戻し先行もイベント控え模様眺め