米連邦準備制度理事会(FRB)は追加利下げに踏み切る可能性が高まっている。世界景気の低迷が続いていることに加え、米トランプ大統領が追加利下げに圧力を掛けていることなどが背景にある。

中国のエコノミストは、米失業率が引き続き歴史的な低い水準を維持しているほか、米国内総生産(GDP)も小幅ながら拡大し続けていると指摘。ただ、世界的な景気後退(リセッション)のリスクが高まっていると強調した。また、米中通商摩擦の長引きに伴う世界の貿易量の伸び鈍化が目立っているなか、米経済の一段減速リスクが高まっていると警告した。そのため、米FRBが追加の利下げに踏み切る公算が大きいとの見方を示した。

米国内では、利下げが株式市場に活性化をもたらすほか、株価上昇が経済にポジティブな影響を与えるとの意見が上っている。

また、一部では、米国が将来、再びマイナス金利政策を導入する可能性があるとの見方も出ている。25bp(ベーシスポイント)の利下げで計算すると、米国がゼロ金利まであと8回の利下げが可能となる。2021年末までに米FRBが5回の利下げを実施するとの予測が出ており、このペースなら近い将来米国が再びマイナス金利政策を導入すると試算されている。ただ、マイナス金利がいったん導入されたら残りの金融対策が少なくなるため、米FRBが慎重に対応すると指摘されている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】米FRB、追加利下げの公算大