世界の貿易が縮小に転じている。オランダ経済政策分析局(CPB)によると、今年1月まで3カ月の世界の貿易量は3カ月前に比べて1.8%減少したという。これは世界同時不況以来の下落幅となった。2007-08年の世界同時不況が起きた後の世界貿易量は12.7%の縮小を記録していた。

英国メディアは、世界貿易量の縮小について、様々な要因によって悪影響を受けていると指摘。自動車業界の衰退や、英国の欧州連合(EU)離脱の迷走、輸入関税の引き上げなどを通じて世界貿易システムを解体させるというトランプ米大統領の野望などが挙げられている。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は先週、世界経済が「微妙な瞬間」に直面していると発言。英国のEU離脱問題や主要経済国の貿易摩擦などが世界経済の減速リスクを高めていると警告した。これは企業景況感指数や設備投資、雇用市場などに悪影響を与えているとの見方を示した。

中国のエコノミストは、米トランプ政権の貿易政策が世界貿易に悪影響を与えていることが明白だと批判。米国と各国・地域との貿易摩擦の解消に向けた努力を進めるべきだと強調した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】世界の貿易量:世界同時不況以来の縮小、貿易摩擦が主因か