フジサンケイグループのシンクタンク、株式会社エフシージー総合研究所(東京都江東区/社長:岸本一朗)のIPM・環境研究室の橋本一浩主任研究員と小田尚幸研究員の2人が、昨年末に開催された2023年室内環境学会学術大会(理事長: 東賢一 関西福祉科学大学教授)で、技術的・社会的有用性のあった研究発表に贈られる学術大会大会長奨励賞(大会技術賞)の受賞が2月13日までに決定しました。表彰式は今年12月の学会総会で行われる予定です。

ダニは喘息やアトピーの原因生物と言われています。橋本主任研究員、小田研究員は、2016年から23年にかけて定期的に一般家庭の寝具中のダニやその死骸の数の計測調査を行いました。その結果、90例中76例で寝具中のダニやその糞などのアレルゲン量が国際的基準値を超過していたことが判明しました。今回の受賞は、2人の研究員の8年間にわたる調査が評価されました。

国際的基準値では、ハウスダスト1グラム当たり、ダニの糞などのアレルゲン量が、2マイクログラム(100万分の2グラム)を超えると喘息やアトピーの発症リスクが高まるとされます。基準値を超えた76例の家庭の中央値は3.8マイクログラムで、寝具への掃除を月0~1回程度しか行っていないことがわかりました。一方、毎日掃除機をかける家庭(4例)の中央値は1.1マイクログラムでした。

受賞した研究発表は英電機機器メーカーのダイソン社と共同で、家庭内での同社掃除機の性能試験の一環として行ったものです。これまでの調査試験では、週1回の掃除頻度では寝具中のダニが十分に減少しないこともわかっていました。これらの結果から、寝具への掃除機がけを週に複数回行うことが推奨されることを導き出しました。

大会を主催した一般社団法人室内環境学会は1994年に室内環境研究会として発足。国内外の大学・研究者・企業等が会員となり、総合的・学際的に室内環境問題を議論し、快適環境の創造を目指し活動しています。例年開催の学術大会では意見交換と優れた研究等への評価を行っています。

橋本主任研究員、小田研究員が、本大会技術賞を受賞するのは、2021年に日立ジョンソンコントロールズ空調社との共同研究「エアコンとカビ汚染の調査」に続き今回が2回目となります。当社では、『生活者が安心できる未来の実現をめざす』理念のもと、引き続き公共の利益に資する研究・サービス開発に努めてまいります。

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受賞者略歴

橋本一浩(はしもと かずひろ) エフシージー総合研究所IPM・環境研究室 主任研究員(写真左)
2012年麻布大学大学院修了(博士(学術)取得)。2009年エフシージー総合研究所入社。
専門:真菌学、環境微生物学、微生物制御学、衛生動物学

小田尚幸(おだ ひさゆき) エフシージー総合研究所IPM・環境研究室 研究員 (写真右)
2014年日本大学大学院修了(博士(生物資源科学)取得)。同年エフシージー総合研究所
入社。専門:応用昆虫学、環境微生物学、真菌学、衛生動物学


エフシージー総合研究所について
弊社は、フジサンケイグループの調査および研究機関を統合して1985年に設立されました。「企業」、「マスコミ」、「消費者」をつなぐためのユニークな研究機関として、主に以下のような分野で活動しています。

企業・団体様向けの広報サービス
企業広報担当者向けの定期刊行物発行、セミナー、シンポジウムなどのサポート

商品の安全性・機能性評価
家電、繊維、日用品、化粧品、美容器具、トイレタリー商品など家庭用品全般について、ハード、ソフトの両面から商品の評価を行っておるほか、生活全般にかかわる調査・研究を行っています。(テレビニュース・新聞などで商品実験のコーナーなどがあるかと思いますが、こうした実験も行っております。)

食品の栄養評価
食品全般についての調理科学的評価や官能評価による研究、料理レシピの開発などのほか、雑誌・新聞などで料理関連の記事取材、企画、撮影なども行っています。

会社概要
社名: 株式会社エフシージー総合研究所
所在地: 東京都江東区青海1-1-20 ダイバーシティ東京オフィスタワー6F
設立: 昭和60年(1985年)
代表取締役社長: 岸本一朗
株主: フジメディア・ホールディングス、産経新聞社



配信元企業:株式会社エフシージー総合研究所
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情報提供元: Dream News
記事名:「 家庭のダニ汚染調査研究で技術賞受賞 寝具中のアレルゲン量を解明