株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の教育産業市場(主要15分野)を調査し、サービス分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

2022年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.3%減の2兆8,499億7,000万円となった。

当該市場は、2020年度にコロナ禍を起因とする各種教室の休塾・休校措置や生徒募集活動の自粛などの事業活動の大幅な制限を受けて市場縮小を余儀なくされた。2021年度は、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じた上で事業運営が概ね継続できたこと、対面授業とオンライン授業の併用などによるサービス提供体制が確立したこと、コロナ禍で需要を高めたサービスが引き続き好調に推移したことなどを受けて全体市場が回復した。一方で、2022年度はコロナ禍の行動制限の撤廃等に伴う需要の変化を受けて主要15分野のうち10分野がマイナス成長となり、全体市場としては再び縮小となった。特に「通信教育市場」は対面教育サービスへの需要回帰などを受けて、幼児向け、学生向け、社会人向けの3分野すべてが前年度割れとなるなど市場全体の縮小に大きく影響を及ぼしている。2022年度において前年度の市場規模を上回った分野は、「学習塾・予備校市場」、「資格取得学校市場」、「幼児体育指導市場」、「企業向け研修サービス市場」、「eラーニング市場」の5分野に留まった。

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2.注目トピック~コロナ禍の行動制限の撤廃で需要の変化が進む~

2022年度はコロナ禍の行動制限の撤廃等によって、通信教育やeラーニングといったコロナ禍で急速に拡大した遠隔教育の需要が減退傾向で進む一方、対面教育を中心とする教育サービスへの需要回帰が一層進む状況にある。特に社会人向けの「通信教育市場」は、外出・交際・娯楽に対する消費支出の高まりなどもあり、2022年度は前年度比10.0%減の大幅な市場縮小となった。

なお、教育産業主要15分野で最大の市場規模を有する「学習塾・予備校市場」では、2022年度の市場規模はプラス成長(前年度比0.1%増の微増推移)したものの、学校行事や部活動の実施増加(平常化)に伴う通塾機会の抑制や、コロナ禍で生じていた学習の遅れや学力の低下に対する危機感・不安感が払拭されるようになったことで、通塾に対する意欲の減退傾向がみられている。

3.将来展望

2023年度の教育産業の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.5%増の2兆8,632億7,000万円を予測する。

当年度は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行し、社会経済活動が従来の状態を取り戻しつつある中で、需要を高める分野と後退させる分野が混在することが想定され、教育産業主要15分野のうち、7分野(「資格取得学校市場」、「資格・検定試験市場」、「語学スクール・教室市場」、「幼児受験教育市場」、「幼児体育指導市場」、「企業向け研修サービス市場」、「eラーニング市場」)が成長することによって、教育産業全体市場としてはプラス成長で推移すると予測する。

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調査要綱
1.調査期間: 2023年7月~9月
2.調査対象: 学習塾、予備校、通信教育事業者、資格取得学校、語学スクール、幼児教室、 体操教室、研修サービス事業者、eラーニング事業者、学習用教材会社、業界団体、管轄省庁等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・e-mailによるヒアリング、ならびに各種文献調査併用
4.発刊日: 2023年09月26日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】教育産業市場に関する調査を実施(2023年)~2022年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、前年度比0.3%減の2兆8,499億7,000万円~