• 世界の機関投資家はサステナブル投資を継続的に取り入れ、77%が2020年5月以降に関心を高めたと回答
  • 資産運用会社がESG投資の業務、商品、報告を資産所有者の優先順位に合わせて調整すれば、サステナブル投資市場の成長は加速する可能性がある
  • 機関投資家は、環境・社会的インパクトを測定するためのデータ拡張や、さらにスキルの高いサステナブル投資人材の利用を求めていると回答

ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- サステナブル投資の業務、商品、報告に対する資産所有者の要求の高まりに対応する機会が資産運用会社に存在していることが、モルガン・スタンレー・サステナブル投資研究所による新たなリサーチで分かりました。当社の「サステナブル・シグナル」シリーズの最新のものであるこの機関投資家調査は、北米、欧州、アジアの資産所有者110社と、同じ地域の201社の資産運用会社を対象として見解を聞き出し、資産所有者が何を望んでいるか、資産運用会社が何を提供しているか、そして環境・社会・ガバナンス(ESG)ソリューションの提供におけるギャップがどこに存在するかについて理解することを目指しました。

モルガン・スタンレー・サステナブルの最高持続可能性責任者兼投資研究所CEOのJessica Alsfordは、次のように語っています。「当社の最新のサステナブル・シグナル調査の結果では、サステナブル投資が依然として世界的に機関投資家の重要な重点領域となっていることが示されました。その大多数が過去2年間に関心を高めたと回答しています。同時に、当社の発見事項からは、サステナブル投資の業務とポリシー、主要ESGデータ・指標へのアクセス、新たなサステナブル投資商品の開発を含む領域で資産所有者の優先順位にさらに合わせる大きな機会が資産運用会社にあることが分かります。このようなギャップを埋めることができれば、世界各地の機関投資家の中でサステナブル投資戦略の信頼性と採用を高めることにつながる可能性があります。」

調査では、資産運用会社と資産所有者の多数(77%)は、2020年5月以降にサステナブル投資への関心を高めたと回答しています。その変化の要因は、クライアントと投資家からの圧力、一般市民の意識の変化、規制動向です。資産運用会社の85%と資産所有者の83%は、ポートフォリオのすべてか一部でサステナブル投資を既に実施しているか実施予定であると述べています。地域による違いも観察され、これまでのところEMEAがほかの地域に先行していますが、今後24カ月にサステナブル投資のアプローチと商品を拡大することには、APACの回答者が最も高い関心を示しました。

しかし、資産運用会社と資産所有者の間にはギャップがあり、この調査では3つの主要領域が明らかになりました:

  • サステナブル投資の業務とポリシー - サステナブル投資の業務における最大のギャップはESGの報告と開示(49%)に関するものであり、金融パフォーマンスと合わせてESGインパクトを報告している資産運用会社が39%にとどまっている一方、88%の資産所有者が、この情報を提供するサードパーティー運用会社を求めていると回答しています。
  • サステナブル投資商品の新設と拡張 - 資産所有者の50%が最も優先されるテーマ投資として気候変動を挙げていますが、資産運用会社の中でこの需要に応える商品を提供しているところは33%に過ぎません。この乖離はほかの領域でも存在し、水ソリューション(19%)や教育(10%)を含むテーマにおいて、資産運用会社の商品やソリューションと資産所有者の関心との間にギャップが存在しています。
  • サステナブル投資のデータと指標 - 資産所有者の82%は、運用会社がカーボン・フットプリントのデータを提供することを望んでいますが、調査対象資産運用会社の中で、この情報を提供しているところは63%に過ぎませんでした。最大のギャップは、ストレステストやシナリオ分析など、気候リスク関連データのファンド運用会社から投資家への提供に存在しています。

持続可能性の優先順位における資産所有者と資産運用会社とのギャップが明らかになっただけでなく、この調査では、成長に対する主要課題としてデータ不足と人材不足という2つの点が明らかになりました。資産所有者10社のうち8社は、投資の環境・社会的インパクトを十分に測定するデータが欠けていると回答し、機関投資家の半数以上(57%)は、投資家がインパクトを測定できなければサステナブル投資の信頼性が失われるとの意見に賛成しています。

機関投資家が明らかにしたもう1つの障害として、業界全体の人材不足があります。過半数の資産運用会社(66%)と資産所有者(53%)が2020年5月から2022年5月までの間にサステナブル投資専門家の人員数を増やしたと回答していますが、人材プールは雇用需要をまだ満たしていないとも回答し、自組織のニーズを満たすために十分な能力のある人材を見つけている資産運用会社は39%、資産所有者は23%に過ぎません。

サステナブル・シグナル調査の全結果は、こちらでご覧ください。

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環境・社会・ガバナンス(ESG)を意識した投資で主に構成されるポートフォリオのリターンは、より分散されたポートフォリオや投資上の考慮のみに基づいて意思決定が行われるポートフォリオと比べて低いことも高いこともあり得ます。ESG基準は一部の投資を除外するものであるため、投資家は、そのような基準を使用しない投資家と同じ機会や市場トレンドを利用することができないことがあります。分散は利益を保証するものではなく、金融市場の下落時に損失から保護するものでもありません。

市場への投資には、市場が変動するリスクが伴います。株式、ミューチュアルファンド、上場ファンド(ETF)、オルタナティブ投資を含むあらゆる種類の投資の価値は、さまざまな期間において増加することも減少することもあります。

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記事名:「 モルガン・スタンレーのサステナブル・シグナル:新たな調査により、資産運用会社が資産所有者のサステナブル投資ニーズへの対応を改善する機会が存在することが明らかに