ウクライナ人の多くの子供がロシア領に強制連行されているとみられる問題で、ロシアのリボワベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)は24日、ロシアにいる子供29人をウクライナに帰すと発表した。同様にウクライナにいる子供19人もロシアに帰るという。AFP通信などが伝えた。

 計48人の子供の「交換」交渉はカタールで実施され、双方の代表が対面で協議したという。ウクライナのゼレンスキー大統領も24日、ウクライナ人の子供「16人」が無事に家族と再会したと述べた。ロシアが発表した「29人」とは異なるが、詳細は不明。

 2022年の侵攻開始以降、ウクライナ側は「ロシアが1万9000人以上の子供を連れ去った」と主張しているが、ウクライナに帰還できたのは400人に満たないという。ロシア側は「子供を安全な場所に避難させた」と主張し、強制連行疑惑を否定している。

 この問題については、国際刑事裁判所(ICC、本部ハーグ)が23年3月、子供を連れ去った疑いでリボワベロワ氏とプーチン露大統領に逮捕状を出した。ただロシアはICCに加盟しておらず、捜査への協力義務もないため、帰還はほとんど進展していない。【ロンドン篠田航一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ロシアとウクライナ、双方の子供48人返還で合意 カタールが仲介