ロイター通信などは13日、ロシアの警察当局がエストニアのカラス首相らを「指名手配」したと報じた。ロシアのペスコフ大統領報道官はカラス氏の容疑を「歴史的記憶の冒とく」としているという。

 カラス氏は同日、X(ツイッター)に「ロシアの動きは驚くべきものではない。私が正しいことをしていることのさらなる証拠だ」と投稿。「欧州連合(EU)のウクライナへの強力な支援は成功し、ロシアに痛手を与えている」と強調した。

 ロイターは、カラス氏が逮捕される危険性があるのはロシア国内に入った場合に限られ、実際に逮捕されることはないとの見方を示している。

 ロシアと国境を接するエストニアはバルト3国の一つ。第二次大戦中にソ連に占領され、ナチス・ドイツによる一時的な占領後、再びソ連に占領された。1991年の独立までソ連の支配下にあり、多くの市民が処刑されたり、シベリアに送られたりした歴史を持つ。

 エストニアはロシアによるウクライナ侵攻後、ソ連時代の記念碑の撤去を進めていた。【ベルリン念佛明奈】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ロシアがエストニア首相らを「指名手配」 歴史的記憶の冒とく主張