米国のオースティン国防長官は8日、最新鋭の原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群を東地中海のイスラエル近海に展開するよう命じた。イスラエルを攻撃したパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスを海上から威圧する狙いがある。イスラエルへの軍需品の供与にも8日着手し、数日以内にイスラエル側に支援が届く見通しだ。オースティン氏は8日、前日に続いてイスラエルのガラント国防相と電話で協議し、一連の支援内容を伝えた。

 国防総省によると、ジェラルド・フォード、ミサイル巡洋艦1隻、ミサイル駆逐艦4隻からなる空母打撃群が東地中海に移動する。米メディアによると、この空母打撃群は先週、イタリア軍とイオニア海で合同演習をしていた。また、中東周辺に展開するF35、F15、F16、A10各戦闘機の飛行隊も増強される。

 オースティン氏は「バイデン米大統領と協議し、抑止態勢の強化を指示した。必要があれば、抑止態勢をさらに強化する備えも維持している」と強調した。

 米国はハマスによる攻撃開始を受けて、イスラエルを全面的に支持する方針を打ち出している。東地中海に部隊を展開させることで、海路によるハマスへの軍事支援を妨害する狙いもあるとみられる。【ワシントン秋山信一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 米、空母打撃群展開でハマス威圧 イスラエルへの軍需品供与も開始