猛暑の韓国で12日まで開催中のボーイスカウトの国際大会「世界スカウトジャンボリー」で熱中症患者が続出し、韓国政府が対応に追われている。日本人参加者にも軽症の体調不良者が出ている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は4日、休憩用の冷房付きバスや、冷水を提供できるトラックを供与し、食事の量や質も改善するよう緊急指示した。

 大会は1~12日、南西部・全羅北道(チョルラプクド)にある干拓地セマングムで開催。世界各地から約4万3000人が参加している。在ソウル日本大使館によると、日本人も1568人が参加し、体調不良を訴える人は複数いるが軽症という。

 韓国メディアによると、2日夜の開会式では100人以上の参加者が熱中症の症状を訴えた。2日は夜になっても気温が下がらず、開会式でも27度を記録していたという。高温多湿の中、参加者に提供される食事の衛生状況を懸念する声も出ていた。

 韓国政府は4日、緊急閣議を開き、大会の円滑な運営のために69億ウォン(約7億6000万円)の予備費投入を決めた。韓国外務省は同日、現地に職員を派遣。ソウルでは、各国の大使館関係者を対象に状況を説明する会合を開くなど対応に追われている。【ソウル坂口裕彦】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 ボーイスカウト国際大会で熱中症続出 韓国政府、対応に追われる