新型コロナウイルス下で助成額を引き上げた「雇用調整助成金(雇調金)」の特例措置を巡り、厚生労働省は28日、3月末までに累計1524件の不正受給があったと明らかにした。不正受給の総額は計256億5000万円に上り、回収できたのは173億円にとどまる。特例措置は3月末に終了したが、回収や不正受給の取り締まりは続ける。

 雇調金は、企業が従業員を休ませた時に支払われる助成金。コロナ下の雇用を下支えするため、迅速に支給しようと申請手続きを簡素化したところ、不正受給が相次いだ。特例措置の支給総額は3月末時点で約6兆3507億円に膨れあがり、雇用保険財政の悪化を招いた。厚労省は今年度、特例措置の効果を検証するため、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」に分析を依頼し、労働政策審議会で議論する。【奥山はるな】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 雇調金の不正受給、総額256.5億円 回収は173億円どまり