■『ビッグ』:大人の姿になってしまった少年が、人々の心を解きほぐしていく感動作



 



長寿コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で活躍していた若手コメディアンだったトム。そこで数多くのコントに出演し、持ち前の演技スキルを披露していた経験もあって、彼が主演した1988年のコメディ映画『ビッグ』は、彼の名を世に知らしめるヒット作となった。



 



12歳の少年ジョッシュは、地元にやってきた移動遊園地のゲーム機をプレイしたことで、「大きくなりたい」という願いが図らずも叶ってしまう。こうして子どもの感性を持ったまま大人になった彼は、周りの大人たちを巻き込んでいき……というのが、本作の物語。



 



童顔、表情の豊かさ、そしてコントで培ったコミカルな演技が役柄にバッチリとハマって、トムは本作でアカデミー主演男優賞にノミネートされることになる。大人に見えるのに、本当に中身が子どもなのではないかと錯覚する、トムの純真無垢風の演技は要チェックだ。



 



 



■『フォレスト・ガンプ/一期一会』:純真無垢な“うすのろ”フォレストの半生を描いた、アカデミー賞受賞映画



 



90年代に入ると、トムの人気はまさに不動のものとなっていく。エイズ患者への差別との戦いを描き、初のアカデミー賞主演男優賞を受賞した1994年の『フィラデルフィア』に続き、トムはなんと、翌年公開の本作でもアカデミー主演男優賞を受賞したのだ。



 



知能指数は低いが、みんなを和ませるその性格と、自転車でも追いつけない俊足が自慢の少年フォレスト。彼は幼少期からの想い人である女性ジェニーへの愛を胸に、ベトナム戦争、そして反戦感情の渦巻く時代を駆け抜けていく……というのが、本作のあらすじである。



 



トムの繊細な演技スキルによって、観ている者は、無垢で愚直なフォレストに自然と感情移入してしまうはず。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで知られる、名匠ロバート・ゼメキス監督の演出も光るこの映画は、一度は観ておかねばならない名作だ。



 



 



■『プライベート・ライアン』:従来のトムのイメージを払拭した、過酷な戦争映画



 



最後は、“ヒューマンドラマの雄”といったイメージだったトムが、その印象を覆すような役柄で出演した、1998年の名作戦争映画『プライベート・ライアン』を挙げたい。



 



1944年。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線でも屈指の激戦と呼ばれる“ノルマンディー上陸作戦”を生き抜いた、ヒラー大尉率いる小隊に、本国への帰還命令が出ているライアン一等兵を捜索してほしいとの命令が下る。それは小隊にとって、最後の激闘となる任務だった……というのが、この映画のストーリー。



 



世界的名監督スティーブン・スピルバーグが手がける、今までになかったほどリアルな戦闘シーンが話題を呼んだ本作で、トムは小隊を束ねるヒラー大尉を熱演。戦場の恐怖に耐え、仲間を鼓舞しながら冷静にミッションをこなしていく彼がたどり着くラストは、思わず涙がこぼれてしまう名シーンだ。


情報提供元: citrus
記事名:「 コメディ俳優からオスカー常連俳優へ…名優“トム・ハンクス”出演のおすすめ映画3選