風味や食感がよく、さまざまな料理に活躍してくれる舞茸。他のきのこに比べると出番が少なめな舞茸ですが、どのような栄養素が含まれるのでしょうか?よく食べられているきのこ類との比較も含めて、舞茸の栄養と期待できる効果について管理栄養士が解説します。

舞茸に含まれる栄養素と期待できる効果

舞茸にはビタミンDをはじめ、さまざまな栄養素が含まれます。100gあたりの含有量は以下の通りです。

続いて、これらの栄養素に期待できる効果を解説します。

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨の健康を守るうえで欠かせない栄養素です。

ビタミンDは脂溶性ビタミンといい、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。舞茸のビタミンDを効率的に摂るなら、炒め物や天ぷらなど、油と一緒に調理しましょう。

カリウム

カリウムはナトリウムを排泄する働きがあります。塩分の摂り過ぎの調整に役立ち、むくみ対策や高血圧の予防に欠かせない栄養素です。

カリウムは水に溶け出る性質があり、茹でたり煮たりすると舞茸に含まれるカリウムの量が減ってしまいます。舞茸は煮汁が黒くなりやすいため下茹ですることがありますが、カリウムをムダなく摂りたい場合は下茹でせずに使いましょう。

食物繊維

舞茸には、水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンが含まれています。β-グルカンなどの水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を穏やかにする作用があり、血糖値が気になる方は積極的に摂りたいものです。

ほかにも食物繊維には、整腸作用や血中コレステロール値の低下に役立つ働きがあります。

舞茸をはじめとしたきのこ類は食物繊維を豊富に含むため、毎日の食事にぜひ取り入れましょう。

ポリフェノール

舞茸を茹でたり煮たりすると汁が黒くなりますが、これは舞茸に含まれるポリフェノールが溶け出たものといわれています。

ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化やがん、細胞の老化、免疫機能の低下を引き起こす活性酸素を取り除く働きがあります。

カリウムと同様、ポリフェノールをムダなく摂るなら下茹でせずにいただきましょう。

※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

舞茸のビタミンD含有量はきのこ類でトップクラス

舞茸は他のきのこ類と比べるとビタミンDが豊富で、100gあたり4.9μgときのこ類の中でもトップクラスです。

成人男女の1日に必要なビタミンDの量は8.5μgなので、1日に必要な量の半分以上を舞茸100gで摂ることができます。

そのほかの栄養素量の違いは以下の通りです。

舞茸は100gあたり22kcalなので、この中では、ぶなしめじ(22kcal)と並んで最もカロリーが低くなっています。食物繊維、カリウムは比較するとやや少なめではありますが、不足しがちなこれらの補給に役立つでしょう。

舞茸の栄養を効率的に摂れるおすすめレシピ

舞茸に含まれる栄養素を摂るのにおすすめのレシピをご紹介します。

鮭ときのこのバター醤油

ビタミンDが豊富な鮭と舞茸は、バターを使って吸収率をさらにアップ。ソースに溶けだした舞茸の栄養もしっかり摂れます。

鮭ときのこのバター醤油

生鮭切り身、舞茸、小ねぎ(あれば)、○しょうゆ、○酒、○みりん、○バター、塩、こしょう、サラダ油

調理時間:15分

きのこの塩昆布バター

舞茸と並んでヘルシーなぶなしめじと組み合わせたメニュー。油を使っているのでビタミンDの吸収がよく、食物繊維もたっぷり摂れますよ。

きのこの塩昆布バター

しめじ、まいたけ、塩昆布、バター、サラダ油

調理時間:10分

栗ときのこのピラフ

秋が旬の舞茸と栗を使った炊き込みピラフ。きのこ類にはほとんど含まれないビタミンCを、栗が補ってくれます。

栗ときのこのピラフ

むき生栗、まいたけ、米、○酒、○顆粒コンソメ、○こしょう、バター、塩

調理時間:40分

栄養豊富な舞茸を食卓に取り入れよう

ほかのきのこ類に比べると食べる頻度が少ない舞茸ですが、ビタミンDをはじめとしたさまざまな栄養素を摂ることができます。とくに旬の時季は安価に手に入るので、積極的に取り入れてくださいね。

情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 舞茸の栄養や期待できる効果とは?栄養をムダなく摂れるおすすめの食べ方