ビール女子のみなさま、こんにちは! ポートランド在住の東リカです。

サンディエゴで生まれた人気ブルワリー「モダンタイムス・ビール(Modern Times Beer)」のポートランド支店「The Belmont Fermentorium」は、今年1月に1周年を迎えました。

インハウスデザイナーが総力を挙げて作り上げたファンキークールな店内や、美味しいビールが生まれる醸造所内を写真多めでレポートします!


エキセントリックで野心的なブルワリー



「モダンタイムス・ビール(以下、モダンタイムス)」は、2013年にサンディエゴのポイントロマで生まれたブルワリー。その名前は、創始者のJacob McKeanが「発展する歴史のひだに埋もれていく色彩豊かで野心的な小さなポケットのよう」だと語る、ニューヨーク州に実在したエキセントリックなユートピア的コミュニティに由来しています。

そのためか、つくられるビールのほとんどには実在、もしくは架空のユートピアの名前がつけられています。


彼らの掲げる哲学には、「香り高く複雑」、「風味豊かで飲みやすいビールづくり」に加え、「他の生物を人間のように改造する設定のSF小説『モロー博士の島(The Island of Dr. Moreau)』的マッシュアップでハイブリッドなスタイルのビールをつくる」とあり、かなり攻めてる感じです。

その独創的なビールのバラエティはもちろん、コーヒー焙煎所やショップ、ファンクラブ「The League of Partygoers &Elegant People」なども経営するというビジネスモデルで急速に成長。

現在は、ポイントロマに加え、LAポートランド3都市のブルワリーノースパーク(サンディエゴ)、エンシニータスのタップハウス、合わせて5つの直営店を展開しています。また、アナハイム、オークランド、サンタバーバラの3都市でも開店準備が進んでいます。

それでは、そろそろポートランドの「The Belmont Fermentorium」の様子を見ていきましょう!

「マッチョマン」が飛ぶポートランド店



ポートランドのブルワリー兼タップルーム+ミニマートは、2018年1月にベルモント通りのブルワリー「The Commons Brewery」と入れ替わる形でオープンしました。
ちょうど1周年のパーティー開催時に訪れたのですが、店内は超満員!

中に入るとまず、高い天井に吊るされた巨大なレスラー、"マッチョマン" ランディ・サベージのピニャータが目を引きます。


それから、コミックがコラージュされた壁紙。



カウンターのモザイクは、よく見るとフロッピーデスクでできています。


そして見逃せないのが、トイレのある通路!


カラフルな糸が張り巡らされた通路には、いくつものポップカルチャーをモチーフにした手作りアートが飾られています


面白いのは、カメラの中を覗き込んだり、ノブを回したり、と手を触れて遊べること。


これらの店内装飾は、外注ではなく4人の社員が手がけたのだとか。

モダンタイムスのアートチームは、コンセプト作りからアイディアの社内募集、また実際のアート制作や設置まで全工程を担当。

更に、新店舗の内装の他にもビールのラベル、ブランドオリジナルのキャップやTシャツといった商品デザイン、さらにはプリントに至るまで内製するそうです。


なお、季節の特別発売(Special Release)ビールは、カラフルなラベルを採用。

シンプルな缶に入った定番商品は、スーパーなどの小売店に出回りますが、カラフルなラベルの限定品は、直営店内のショップ「ミニマート(Mini Mart)」でしか購入できません。これは、鮮度を管理するためだそうです。

実験的なビールが生まれるポートランドのブルワリー



お次は、ブルワリー内。ここでは、6人の製造チームが働いているそうです。

製造に携わる女性ブルワー、アンジーさんによると、ポートランドのブルワリーがカリフォルニアと違うところは、まず水質ラガーなどに適した水だそうです。

また、ポートランドでは、比較的小さな製造施設だということもあり、実験的なビールをつくることが多いのだとか。例えば、フルーツの比率が異常に高いビールは、サンディエゴで最小サイズの90バレルのタンクじゃ難しいけれど、ポートランドの30バレルタンクならつくれるという利点もあります。


モダンタイムスが所有する3つのブルワリーでは、1年ほど前に決定する全体スケジュールに沿ってそれぞれ違うビールをつくっています。

冷蔵トラックがカリフォルニアとオレゴンを週に1度往復するため、どのタップルームでも各ブルワリーでつくられた新鮮なビールを飲むことができるのだそう。


ポートランド店では、常時24種類の樽生で楽しむことができます。しかも、1週間ごとに8つのタップが入れ替わるので、毎週来ても新しいビールが楽しめます。


IPAで知られるという「モダンタイムス」ですが、全体像を知りたいとブルワーにお願いすると、写真左からピルスナーの『ICE』ヘイジーIPAの『Orderville』オートミールコーヒースタウト『Black House』を勧められました。
「ICE」はサンディエゴ、「Orderville」と「Black House」はポートランドで醸造されました。

「ICE」はアルコール分4.8%で、軽い苦味のはっきりしたシャープなビール。ブルワーたちの間で一番人気だそうです。


「Orderville」は、一番の売れ筋だとか。6種類のホップを使った香り高いヘイジーIPAです。

そして、「Black House」は、サンディエゴの自社焙煎所でローストした2種類の豆を挽かずに、そのまま使ったコーヒースタウト。フルーツの香りは高品質なコーヒー豆から。また、チョコレートのような香りはコーヒーではなく、モルトからくるのだとか。

メニューには、「Orderville」と「Black House」も含む定番4種類が楽しめる「OG Edition」フライト($8)、「ICE」や季節のビール4種類を楽しめる「#Newmoney」フライト($9.50)がありますので、ぜひ色々と飲んでみてくださいね!


なお、ブルワリーは今年の夏を目処に隣のビルの敷地も使って2倍の広さへと拡張予定です。工事のため、タップルームの一時閉鎖もあり得ますので、お出かけ前にサイトをチェックしてください。



THE BELMONT FERMENTORIUM


〇住所:630 SE Belmont Street, Portland, Oregon 97214
〇TEL:(503)420-0799
〇MAIL:info@moderntimesbeer.com




情報提供元: ビール女子
記事名:「 サンディエゴで生まれた人気ブルワリー「モダンタイムス」ポートランド店に行ってきた!