ガルーダ・インドネシア航空は、2月15日から5月14日まで月替りで提供している、インドネシアを代表するシェフがプロデュースを起用した「ガルーダ・インドネシア スターシェフメニュー」を、3月21日から4月30日までの1ヶ月限定で、日本線でも提供する。




日本線の機内食を監修するのは、パリのミシュラン3つ星レストラン「タイユバン」などの星付きレストランでの経験を経て、現在はジャカルタのフレンチレストラン「アムズ レストラン」のオーナーシェフを務めており、2012年から3年連続で「ホスピタリティ・アジア・プラチナ・アワード」のアジア料理部門「マスターシェフ賞」を受賞したギル・マーク氏。機内では、フランス料理をインドネシア風にアレンジしたコース料理を提供する。対象となるのは、東京/羽田〜ジャカルタ線のビジネスクラスと、東京/成田発デンパサール行きのファーストクラスとビジネスクラス。





前菜は、62度の低温でじっくり調理したキハダマグロに、仕上げにバリ島産の天日塩を振りかけて提供する「キハダマグロのマリネ バルサミコドレッシング」とオーストラリア産の仔牛肉を使った「仔牛肉のカルパッチョ ピータン バジルベースト」、スープはバジルとガーリック、パルメザンチーズ、オリーブオイルで作ったケマンギペーストを野菜をふんだんに使って仕上げた「バジルのスープ」と「ダックコンソメスープ」、主菜は「蒸し鯛のフィレ ジャスミンライス ココナッツソース」「帆立 海老 鯛 ターメリックソース」「鴨肉のコンフィ ポテト マッシュルーム 青唐辛子のチャツネ」「鶏胸肉のロースト ココナッツ風味のターメリックライス ディアブルソース」でいずれかから1種類を選択する。この他に、「カマンベールチーズ レッドチェダーチーズ」か「パッションフルーツケーキ」の流れ。スターシェフメニューとは別に和食のコースも選択できる。


ビジネスクラスで提供するコースを一通り試食してみたところ、筆者はターメリック、バジルといったスパイスや葉物野菜などをふんだんに使ったヘルシーな食事という印象を受けた。特にお気に入りだったのは「パッションフルーツケーキ」で、パッションフルーツそのものを食べているかのような香りが口の中に広がり、コースを堪能した後でも”別腹”であっという間に食べ終わってしまう感じ。甘さも控えめで、甘い物が苦手という人もチャレンジしてほしい。メインも4種類から選べるなど選択肢も豊富で、「コストは上がる(ヤンティ・シレガー東京国際空港事務所長)」としながらも、機内食を楽しんでもらおうという心意気が伝わる内容だ。


搭載する機内食は成田空港に隣接するティエフケー(TFK)のハラールキッチンで調理されており、エコノミークラスを含む全ての機内食はハラールに基づいた調理を行っている。例えば提供するチーズは、動物由来の酵素を使用せず、植物由来か微生物の酵素で製造されたものに限定するなど、細かな点にも配慮しているという。特に味に違いがあるということはないものの、イスラム教徒が多くを占めるインドネシアの航空会社ならではといえるだろう。食材は日本で積み込む物のほとんどは日本で調達しているとのことだ。機内には「シェフ・オン・ボード」サービスとしてシェフが1名か2名乗務しており、シェフが機内で提供する直前に繊細な盛り付けができることで、機内に搭載する上での様々な制約をクリアしたという。



また、軽食として「スモークサーモンとブリニ」「トマトリビエラソースのチャバタブレッド ホワイトアンチョビ」「サーロインステーキのアジアンホットサンド」「イチゴとパンダン風味のキャッサバケーキ」を提供する。フライト時間は7時間から8時間程度のため、コースメニューだけで満腹ということも多いだろうが、どれも試したいメニューだ。


ドリンクにもこだわりがみられる。ビジネスクラスではワインはデザートワインを含め赤白3種類ずつ用意しているほか、インドネシア産の紫烏龍茶やオーガニックのロセラ茶、スマトラや西パプアなどの4種類のコーヒーも提供している。


ガルーダ・インドネシア航空の日本線は、3月下旬を中心に、桜と富士山を見学に来るインドネシア人を中心に予約率は好調。インドネシア人へのビザ要件緩和も追い風となっている。さらに、インドネシア入国時に必要だった到着ビザも撤廃されたため、日本人のインドネシア渡航も増加傾向にあるという。しかしながら、時期によっては旺盛な訪日需要の影響でフライトの予約が取れず、ジャカルタからデンパサール経由で来日するといったケースも見受けられるとのこと。


ガルーダ・インドネシア航空は東京/成田〜デンパサール線、東京/羽田〜ジャカルタ線、大阪/関西〜デンパサール線をそれぞれ毎日運航するほか、大阪/関西〜ジャカルタ線は水・金・日曜の週3便を運航しており、日本とインドネシア間は計24便で結んでいる。機材は東京/羽田〜ジャカルタ線と大阪/関西〜デンパサール線はエアバスA330-300型機、東京/成田〜デンパサール線はボーイング777−300ER型機、大阪/関西〜ジャカルタ線はエアバスA330-200型機を使用する。ボーイング777−300ER型機にはファーストクラスが設置されているほか、ビジネスクラスはスタッガード型でいずれもフルフラットの座席となっている。日本線には、日本ベースの日本人客室乗務員も乗務する。受託手荷物も、エコノミークラスは46キロ、ビジネスクラスとファーストクラスは64キロまで無料で、スポーツ用品も制限重量内であれば個数制限なく無料。ゴルフバッグやサーフボードなどがあっても問題ないだろう。


傘下の格安航空会社(LCC)であるシティリンクを含めると、2016年1月末現在で、長距離線用にボーイング777−300ER型機、ボーイング747−400型機、エアバスA330-300型機、エアバスA330-200型機の4機種と、インドネシア国内線を中心として運用する、ボーイング737−800型機、CRJ1000型機、ATR72−600型機の計189機を保有。2016年末までに17機を追加導入するとともに機材の退役を進め、保有機材は計188機となる計画。2015年末現在で、平均機齢は4.3年で、日本の大手航空会社より最新の機材を使用していることになる。


スカイトラックス社が発表する「エアライン・スター・ランキング」でも、全日空(ANA)やシンガポール航空などと並び、2年連続で世界最高評価となる「5スター」を獲得。機材への積極的な投資や、サービスの向上などが評価されている。

情報提供元: News Lounge