唐揚げに煮物、明太子、さらには、かまぼこやちくわ、魚肉ソーセージといった練りモノの原材料としても和食文化に欠かせないスケソウダラ。この白身魚の驚くべき栄養機能“筋肉増加効果”が昨年発表され、大きな話題となりました。

食べるだけで筋肉が増えるというスケソウダラの「速筋タンパク」のニュースはスポーツ選手をはじめ、健康的なカラダづくりを目指す人や親世代の介護を経験し「将来の寝たきりを予防し筋肉を鍛えたい」と考えるシニア世代など、多くの人に影響を与えたようです。

日本人に身近すぎる魚スケソウダラですが、より速筋タンパクを効果的に美味しく食べられるおススメメニューが、トレーニングやボディメイク中の方にも人気の、ベトナム生まれのサンドウィッチ“バインミー”専門店「バインミートーキョー」(渋谷区 神宮前)で提供中の「スケソウダラのジェノベーゼバインミー」です。

外苑前の健康系バインミー専門店とは?

バインミー(Bánh mì=パン)とは、ベトナム発祥のワンハンドフードでレバーパテやチャーシュー、野菜、なますなどの具材がたっぷりと入ったサンドイッチのこと。

ヘルシーで栄養バランスが良いと6年ほど前から日本でも流行の兆しがあり「バインミートーキョー」の仕掛け人であるフードコーディネーターの音仲さんは、市場調査を兼ねベトナムや日本全国のバインミーを食べ歩いた結果、自身が納得できる本当にヘルシーで栄養バランスの良い新しい価値のバインミーをつくろうと想い至ります。

例えば、ヌマムの代わりに秋田の魚醤「しょっつる」を、シーズニングの代わりに「豆たまり」など日本人の生活に根付いた発酵食品を活用。クリームの代わりに米麹甘酒を、マーガリンなどの油分にはナッツ類を使う徹底ぶりです。

また、パン生地はビール小麦と国産小麦をブレンドした糖質わずか25gの無添加低糖質パンと、100%天然酵母の米粉パンの2種類を用意。カラダを鍛えている人だけでなくビーガンやグルテンフリー、低糖質などのワードで検索し訪れるお客様も多いそうです。

新作の「スケソウダラのジェノベーゼバインミー」は、丁寧な下処理を施したスケソウダラに、香り豊なブロッコリーのジェノベーゼソースをあわせ“筋肉増しまし効果”にこだわったレシピ。ジェノベーゼソースにはチーズを入れるかわりに、アーモンドやカシューナッツで油分やコクを補った低糖質高タンパクなバインミーです。

音仲さんは、スケソウダラの速筋タンパク研究を知り共感。新しい魚メニューのリクエストもあり、「サバカレーバインミー」という人気メニューに続く米粉100%パン※にマッチする具材を探していたそうです。※注文時に低糖質パンにかえることもできます。

写真)店頭に置かれた「速筋たんぱく」のポップ。フィットネスジムや朝活ランナーなどに通うお客様にむけ有益情報を発信している。

写真)「スケソウダラのジェノベーゼバインミー」。今回は低糖質パンに変更。軽やかな味わいと食感のパンに、スケソウダラの切り身とジェノベーゼソースが相性抜群。なます(ニンジン・大根)のポリポリ食感も良く、食べ応え充分!

写真)一番人気は定番の「スタンダードバインミー」。毎月登場する新作を楽しみにしている常連さんも多い。

ところで、速筋タンパクってなんだろう

速筋繊維はスクワットなどの筋力トレーニングによって鍛えることができます。しかし、スケソウダラを食べるだけで増えるならば画期的なことです。

筋肉には大きく分けて「速筋」(白色)と「遅筋」(赤色)の2種類があります。ジャンプや転倒時の踏ん張りなど瞬発力に影響するのが「速筋」で、通常時の体温を上げる役割や引き締まったカラダを作るのにも活躍します。一方、「遅筋」は持久力などを司り、ウォーキングなどの有酸素運動や姿勢の維持などに使われます。

愛媛大学 大学院農学研究科生命機能学専攻 岸田太郎教授らは、スケソウダラの速筋タンパクをラットに8週間与え筋肉量を測定。コントロール食を摂取したラットと比較したところ筋肉量が有意に増加したそうです。試験中はラットに特別な運動をさせていません。

またスケソウダラ、乳、大豆などのタンパク質で筋肉量を測定したところ、6週間後にはスケソウダラを摂取したラットだけがコントロールと比べて筋肉量の有意な増加が認められました。

さらに、スケソウダラの速筋タンパクを摂取したラットのふくらはぎの筋肉は、他の食品のタンパク質を摂取したラットの筋肉と比べ、「速筋」が増加したため白色化しており、別の研究ではラットのふくらはぎの外側部(速筋部分)の筋繊維がコントロール群と比べて1.4倍になったことが明らかになりました。

岸田教授はこの結果をうけ、「運動と組み合わせずとも筋肉タンパク質を食べると筋肉量が増えることが分かった。なかでも増えるのがスケソウダラの速筋タンパク。これまで食べるものが違うだけで、しかも身近な食品で筋肉が増えるなど起こりえないと思われており、各方面から驚きとともに、骨折のリハビリなどにも役立つと大いに期待されています 。」とコメント。「速筋」を増やすことで瞬発力だけでなく骨折のリハビリなどにも役立つ他、便秘や冷え性、基礎代謝も改善されると、その効果に大いに期待しているそうです。

また、21~22 歳の女性を対象にスケソウダラの速筋タンパク4.5g配合したソーセージタイプのかまぼこ(試験食)を毎日食べ、筋肉量と基礎代謝量を測定いた臨床試験では、特別な運動をせずに筋肉量が10 週で180gアップ、基礎代謝量も同様に80kcalアップするという結果もでています。(ちなみに80kcal はウォーキング20分、ジョギング8分程度の消費カロリーに相当。)

スケソウダラは、体内に吸収されやすい質の高いタンパク質が摂れる他、各種アミノ酸やビタミンB12、ミネラル、カリウムなどを豊富に含み、健康食としての需要が高まっています。筋肉増加効果だけでなくカラダにとっておいしい機能を揃えているのです。

和・洋・中・エスニックとさまざまなレシピで楽しめるスケソウダラですが、鮮魚が入手しにくい面もあります。毎日、手軽に食べるには、ちくわやカニカマ、スーパーの総菜コーナーにある「たらカツ」(白身魚フライ)などを上手に活用してみると良いかも知れませんね。

速筋チェックリスト

あなたの速筋はどのような状況? チェックリストによる客観的な診断をしてみましょう。監修:東京大学 名誉教授 石井直方氏

□二の腕やお腹・尻のたるみなどボディラインの崩れが気になる。

□体の冷えを感じやすくなった

□食べる量は変わらないのに太りやすくなった

□カロリーが気になるので、肉、卵、乳製品はあまり食べない

□最近よく、つまづいたり、転ぶようになった

□若い頃より速く歩けず、信号をわたりきれない

□階段を急いて下りるのが怖い

□最近、重いものを持てなくなった

□階段を上るだけでも太ももが張るようになった

0ならば今のところ速筋が減っている心配はありません。しかし速筋は加齢で減少するものなので油断は大敵です。

1~4個のチェックが付いた人は速筋が減り始めているかも知れません。今から速筋づくりを意識しましょう。

5個以上のチェックが付いた人はすでに速筋が減っている可能性が高い人です。今日から真剣に速筋つくりに励みましょう。

バインミートーキョー

営業日:火~日(月曜、年末年始はお休み)

営業時間:平日モーニング 8:30~10:00、ランチ&カフェ 11:30~16:00 土日祝日ブランチ/ランチ10:00~15:00、カフェ16:00~18:00 ※夜は貸切予約のみ

甘酒専門店やトレーニングジムなどとのコラボイベントやワークショップなどの活動も行っています。

詳細:https://banhmi-tokyo.com/

日経ヘルス
Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 ボディラインの崩れには、食べるだけで筋肉量が増えるスケソウダラの「速筋タンパク」が有効