現在公開中の映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』にて、主人公・亜希子を惑わす“沼らせ男” 浩介を演じている猪塚健太さん。本作での撮影の思い出や、現在出演中のドラマ「ゼイチョー〜『払えない』にはワケがある〜」(日本テレビ系)についてもお話を伺いました。

――『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』での浩介、とても素敵なお芝居でした。まずはこのストーリーを読んだ時の感想を教えてください。

ありがとうございます。本当にあったエピソードということで、「こんなことあるんだ」ってまず驚きました。僕自身は現状はありがたいことに“詰んでる”状態で無い時に読んだわけですけれど、こういうササポンみたいな存在の方がいてくれたら良いなって。僕も、俳優という仕事をさせてもらっているので、毎日生き急いでいる感があるというか、焦りを感じる時もあって、亜希子の気持ちに共感出来る部分もあります。そんな時にササポンがそばにいてくれたらって思いますね。ゆっくりとした時間の流れている素敵な方だなと。

――先日原作の大木亜希子さんとササポンさんにお話を伺う機会があったのですが、本当にゆったりとしていて素敵な方でした。この映画自体もあたたかい空気が流れていますよね。

平和な時間が流れていて心地良いですよね。印象的だったシーンが、亜希子と精神科の先生との会話で、「喋るのがゆっくりになりましたね」と言われるところで。それまでは何かに急き立てられてどんどん喋るのがはやくなっていたのが、スッと自然に治っていったというのが素敵だなと。

――浩介は悪い人ではないのだけれど、亜希子にさらなる焦りをもたらす存在という、絶妙なキャラクターだったと思います。演じる上でどんなことを意識しましたか?

原作のあとがきに書かれていた「浩介と過ごした時間は最高に幸せで、最高に不幸せでした」と言った言葉を見て、ここに全てが集約されているなと感じました。一緒にいる時間は最高に幸せな時間でなくてはいけないんだと。最初から“クズ男”という思いで演じるのではなく、純粋に亜希子との時間を幸せに過ごしている、そんな空気感を出したいなと思いました。最終的に亜希子にとっては最低の男だったかもしれないけれど、そこまでの幸せな時間が確実にあったのだと思います。

――おっしゃるとおり、大好きだったからこそ振り回されてしまう部分がありましたものね。監督からはこう演じてほしいといったお話はありましたか?

僕らから提示したものもちゃんと取り入れて受け入れて、一緒に作品作りをしてくださる監督でした。顔合わせの時に意見交換みたいなこともさせていただいて。僕が思う浩介と、監督が描こうとしている浩介、人によっても捉え方が異なるキャラクターだと思ったので、すり合わせしながら役作りをさせていただきました。

――亜希子を演じた深川麻衣さんとの撮影はいかがでしたか?

とても楽しかったのですが、1月頃のとてつもなく寒い日で、風力発電が出来るほどの場所なので風がとにかく強くて顔がちぎれそうになりながら撮影していました(笑)。僕はまだニット帽をかぶっているので耐えられましたが、深川さんは大変だったと思います。

深川さんが出演されている作品は、今泉力哉監督の『パンとバスと2度目のハツコイ』であったり、色々な作品を拝見していて、とても素敵なお芝居をされる方だなと思っていたのでご一緒出来たことが嬉しいです。アイドルグループとしても活動されていた経験があって、俳優もそういう側面はありますが、アイドルグループの華やかな面の裏には大変な努力があると思うので。自然でありながら、とても芯の強いお芝居が素敵だなと思います。

本作の中で、これは予告編にも使われていますが「ちょっと呪われろ」みたいに亜希子が毒を吐くシーンも、チャーミングさがって好きです。

――猪塚さんもおっしゃってくれましたが、慌ただしくなりがちな日々にこそ観て欲しい作品だと思います。

まずはササポンという存在の素晴らしさを観た方と共有したいですね。優しい空気が流れてて、慌ただしいこの世の中に良い風を吹かせてくれるのではないかと思います。

――素敵な言葉をありがとうございます。ドラマ「ゼイチョー〜『払えない』にはワケがある〜」にもご出演されていますが現場はいかがですか?

とても楽しく撮影させてもらっています。(※取材時)税金をテーマにしたお話ではあるのですが、菊池風磨くんのキャラクターが良い意味でその難しさを壊してくれて。本当に税金のお話なの?というくらいコミカルで面白いです。
僕はもともと空気階段さん大好きだったので、鈴木もぐらさんと共演出来て本当に嬉しいです。芸人さんのことを無条件で大尊敬しているのですが、現場でのもぐらさんは本当にもぐらさんそのままの自然体で、とっても素敵なんです。現場でもすぐ寝ちゃいます(笑)。

――イメージ通りのもぐらさんで嬉しいです(笑)。お忙しい日々だと思いますが、そんな中で気分転換にしていることやハマっていることはありますか?

『Pokémon Sleep』にはまっています。『Pokémon Sleep』が出来た時に、「なんて天才なんだ」と感動したんですよね。今ってみんなが起きている時間を、色々なエンタメで取り合っている状態だと思うのですが、『Pokémon Sleep』は寝ている時間を利用するという発想が本当に素晴らしいなと。僕は初代のポケモン世代なので、その時のキャラクターも出てきますし、可愛いくて、日々のちょっとした癒しになっています。

――私も初代ポケモン世代なので、あのゲームを見ていると懐かしくて嬉しいです。今日は素敵なお話をありがとうございました!

◆猪塚 健太さん
https://www.amuse.co.jp/artist/A8241/ [リンク]
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https://www.instagram.com/kentaizuka/ [リンク]

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 映画『#つんドル』で主人公を惑わす“沼らせ男” に! 猪塚健太インタビュー「慌ただしいこの世の中に良い風を吹かせてくれる存在」