東京・銀座のポーラミュージアムアネックスで開催されている松尾高弘氏の展覧会『INTENSITY』が2020年9月22日(火・祝)まで会期を延長。光や現象による「INTENSITY=強度」をコンセプトにした3作品を鑑賞することができます。


1979年生まれで福岡県出身の松尾氏は、これまで映像や証明、オブジェクトなどの光のインスタレーションを制作しており、2009年ミラノサローネでのCANON『NEOREAL』で国際的な知名度を獲得。代表を務める株式会社ルーセントデザインでは資生堂ザギンザの常設インスタレーションや表参道ヒルズのクリスマスツリーなど、商業施設のインスタレーションも手掛けており、ポーラミュージアムアネックスでは2011年『LIGHT EMOTION』以来の個展となります。


松尾氏は、自身が光の表現を追求していることについて、「光は自然現象として満ち溢れています。太陽のような強い光源や、化学反応としても起こすことができます。例えば風を起こすことは自然に敵いませんが、光ならばこれまで見たことがないものが制作できます」と話し、「20年前なら難しかった表現が今のテクノロジーならば表現できます」と今回の作品群の意図について説明します。


『Phenomenon/フェノメノン』



2017年に制作された『Phenomenon/フェノメノン』。4Kスクリーンを横に6台並べて、気流や炎などの流体を、無数の点群のふるまいによって現象美として視覚化した映像インスタレーション。12分20秒の間に、実際の物理法則に基づいてシミュレーションされた数百万の粒子群が無重力の3Dキャンパス上で形を変えて漂い、消えていく様は、力強くもあり儚くもあります。


「以前ならば、スーパーコンピューターを使っても表現できなかったことが、現在では解像度が高く作れるようになりました。それによりトライアンドエラーを繰り返すことができ、より表現を突き詰めることが可能になりました」(松尾氏)


『FLARE/フレア』



「太陽の光のような、それ自体の強さを追求しました」(松尾氏)というこの作品は、太陽や恒星の眩い光を透明なプリズム多面体により、光のエネルギーの物質化を図ったオブジェクト。



生花のように繊細さを感じさせるプリズムは、防護カバーなどに使われるポリカボネート樹脂を利用。これにより、「透明感がありながら光が発光すると溜まって見えるようになります」(松尾氏)といった視覚的効果が発揮され、光自体の輝きを感じることができます。


『SPECTRA/スペクトラ』



松尾氏の新作となる『SPECTRA/スペクトラ』は、光と水を使ったインスタレーション。太陽光の放射角をもつLEDは世界初となる技術で、落下する水に透過して反射。閃光や流星のように色や形を変えていく様を感じることができます。



松尾氏によると、水は上部の装置から「落下しているだけ」とのことですが、下部で跳ねることがないように設計されており、光度の強いスポットライトで照らすことにより、雫の形が秒単位で変化していく視覚的効果を体感できます。


「人が作るものと、自然現象のどちらも素晴らしい。その調和を意識しています」(松尾氏)


光を突き詰めた表現の可能性を改めて示している今回の展示。「アートでの表現は、冒険をすることができます。冒険をしたことによって、さまざまなアートワークに活かすこともできます。インスタレーションを制作することにより、それをアレンジするきっかけにもなります」と話す松尾氏の作品はまるで魔法のようで、日々の喧騒から離れて内面と向き合うこともできるように感じられます。鑑賞は無料(Webでの事前予約制)なので、銀座を訪れる際に体感をしてみてはいかがでしょうか。


Takahiro Matsuo『INTENSITY』


会期:2020年7月20日(月)~9月22日(火・祝)《会期延長》

休館日:2020年9月14日(月)

開館時間:11:00~18:40

入場:無料 (webによる事前予約制)

会場:ポーラ ミュージアム アネックス

主催:株式会社ポーラ・オルビスホールディングス



ポーラ ミュージアム アネックス(公式サイト)

https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/ [リンク]


LUCENT by Takahiro Matsuo

http://www.lucent-design.co.jp/ [リンク]


―― 表現する人、つくる人応援メディア 『ガジェット通信(GetNews)』
情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 眩さの変化がまるで魔法! 光の強度を表現したポーラミュージアムアネックス『Takahiro Matsuo INTENSITY』レポート