TOKYO, Jul 7, 2023 - (JCN Newswire) - 株式会社e5ラボ(社長:中野 道彦、本社:東京都千代田区、以下、e5ラボ)および三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)が普及を目指す“内航標準ハイブリッドEV船”のデザインを採用した、総トン数499トンのバイオマス燃料輸送船「あすか」(以下、本船)が6月30日に竣工し、建造造船所である本田重工業株式会社(本社:東京都千代田区)から旭タンカー株式会社(本社:東京都千代田区)に引き渡されました。本船には、三菱造船が開発し、Marindows株式会社(社長:末次 康将、本社:東京都中央区、以下、Marindows)を通じて内航海運への普及を目指すポータブル運航支援システム“ナビコ”が搭載され、今後パイロット試験を経て2024年春からの販売開始を計画しています。将来的な“内航標準ハイブリッドEV船”の普及により、内航船業界のCO2排出量削減ならびに船員の作業負荷軽減が可能になることに加え、“ナビコ”の活用が運航安全性の向上を可能にします。

“内航標準ハイブリッドEV船”は、プロペラ、モーター、配電盤、蓄電池、発電機などの電気推進に関わるハードウェアと、それらを安全・効率的に制御するソフトウェアをモジュール化した標準システムを採用しており、化石燃料を必要とする従来のディーゼル主機を持たず、大容量蓄電池と発電機のハイブリッドで推進モーターを駆動します。三菱造船製の高性能ツインスケグ船型を採用することで、推進馬力を従来船より20%以上削減しており、航行中のCO2排出量を削減するとともに、荷役、離着桟、入出港など港湾でのゼロエミッションオペレーションを実現します。

また、騒音・振動の低減による船内快適性向上、高度な知識と経験を要する煩雑なディーゼル主機メンテナンスの削減、操船性向上による離着桟オペレーション負荷低減などのメリットもあり、船員の作業負荷低減を可能にしています。

“ナビコ”は、タブレット端末を利用し導入コストを抑えたポータブルな運航支援システムです。電子参考図表示システムを基盤として、自船・他船の位置表示の他、航海計画、トラッキング、衝突座礁警報、避航計画支援、音声入出力など多彩な機能を持ったプロユースに耐える仕様となっています。タブレット向けのタッチ操作型ユーザーインターフェースを採用しており、ユーザーフレンドリーな操作感を実現しています。“ナビコ”は三菱造船が90年代から提供してきたコンソール型運航支援システム“Super Bridge-X”の技術を流用しており、実績に裏付けられた高い信頼性を有しています。また”Super Bridge-X“は、無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」でも中核的なシステムとして実証試験の成功を支えました。

ポータブル運航支援システム“ナビコ”は、本船を含む複数船でのパイロット試験を経て、2024年4月からの販売開始を予定しています。

e5ラボは、船舶の電気推進化・デジタル化を目的に設立されたソリューションプロバイダーで、船舶の安全運航、乗組員の働きやすい環境づくり、そして地球環境保全の実現を目指しています。2021年3月には、新会社「Marindows株式会社」を設立しました。

Marindowsは、海事産業と非海事産業の共創を促進するプラットフォーマーで、内航業界が抱える課題の解決と持続的な成長の達成をミッションとして設立されました。陸上におけるEV車とCASEをトリガーとした大きな産業構造改革に倣い、海洋においてもスマホ化EV船と船版CASEで産業構造改革を引き起こし、EV船とそのエコシステムを核とした次世代海洋産業を創出し、それを日本最大の成長産業とするために、普及型の全自動EV船『DroneSHIP』と海洋版スマートシティ『OceanWISE』の2つのプロジェクトを立ち上げました。

三菱造船は、目指す成長戦略「海洋 Future Stream」において、再生可能エネルギーと炭素循環による「海の脱炭素社会」、自律化・電化による「安心・安全な社会」を描き、海に関わるイノベーションの「知恵出し」とその「カタチ化」の実現を掲げています。2022年3月にMarindowsへの出資を完了し、海洋システムインテグレーターとして、船舶の電気推進化・デジタル化におけるe5ラボ、Marindowsとの共創を継続しています。

e5ラボ、Marindows、三菱造船は、海運業界が抱える課題解決に取り組むとともに、今後もESG(環境・社会・ガバナンス)を重視するステークホルダーとの価値共創を担っていきます。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://www.mhi.com/jp/news/23070702.html

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。 www.mhi.com/jp


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情報提供元: JCN Newswire
記事名:「 三菱造船、世界初のEVバイオマス燃料輸送船「あすか」が竣工