配光特性、出力数の異なる3構造で展開しています
青色を除くすべての波長を揃えています
TOKYO, Aug 23, 2017 - (JCN Newswire) - 昭和電工株式会社(社長:森川 宏平)は、パワー半導体モジュールのゲートドライバ用フォトカプラーやIoT関連各種センサー用に用いられる赤外LEDチップ(以下、赤外LED)の製品ラインナップを拡充しました。

当社の赤外LEDは、LPE法[1]の標準型LED、MOCVD法[2]の透過型および反射型LEDの3種類で展開しています。低電流域での出力の立ち上りや高速応答性に優れていること等から、高信頼性が要求される産業機器・車載・医療・セキュリティ用途などで広く用いられています。

反射型LEDは、発光層の下にミラー層を形成し、光を真上方向に反射させることで発光出力を高めたLEDチップです。従来より産業機器用光電センサーなどに採用されていましたが、今回、本技術を発展させ、「ダブルジャンクション反射型LED」「P-アップ反射型LED[3]」の2製品を追加しました。

1)ダブルジャンクション反射型LED
発光層を2層にしたチップで、従来の反射型LEDチップの2倍近い出力を実現しました。生体認証や監視カメラ、バーチャルリアリティ、車載センサーなど高出力が求められる用途に適しています。

2)P-アップ反射型LED
反射型LEDで主流のN-アップ構造と極性を逆にした製品です。赤外LEDで広く用いられているLPE法ではP-アップ型が主流であり、同じ回路設計で高出力モジュールを開発したいというお客様のニーズにお応えしました。こうしたチップ構造の選択肢が増えることで、パッケージやモジュールにおける回路設計の自由度が高まります。

当社は、LEDチップメーカーとして40年の歴史があり、4元(AlGaInP)系、ガリウムヒ素(GaAs)系・ガリウムリン(GaP)系など多種のLEDチップの生産販売を行っています。近年は特に赤外LEDの事業拡大に取り組んでおり、メイン工場である秩父事業所での上記取り組みの他、本年4月には昭光通商株式会社より昭光エレクトロニクス株式会社の株式を取得し、完全子会社化しました。同社は、鹿児島県日置市に製造拠点を有するLEDチップメーカーで、産業機器・車載・民生用の赤外LEDおよび表示用LEDを中心に事業展開を行っています。当社秩父事業所と同社の2拠点体制とすることで、技術・品質面でのシナジーを発揮すると同時に、品揃えを拡充することで多様化する市場に対応できる体制を整えました。

当社はフォトカプラー及びセンサー分野で市場から高い評価をいただいています。赤外LEDは、IoT市場の進展と共に市場規模拡大が予想されています。当社は今後も製品ラインアップを拡充し、市場からの要求に応えてまいります。

[1]LPE法…液相エピタキシャル成長(Liquid Phase Epitaxy)の略。溶液から固相結晶を基板上に晶出させる結晶成長法。成長速度が速いため厚膜化が容易。
[2]MOCVD法…有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)の略。有機金属を気体化し、基板上に結晶を成長させる製造方法。ガス流量を制御することで、効率よく均質な薄膜結晶を形成できる。
[3]Pアップ…LEDチップはP極とN極の二極で構成され、PアップはP極が上面にあるチップを指す。

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概要:昭和電工株式会社

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記事名:「 昭和電工、高出力用途向け赤外LED製品を拡充