TOKYO, Jan 12, 2017 - (JCN Newswire) - 川崎汽船株式会社、三菱重工業株式会社、三菱化工機株式会社の3社は、船舶用SOxスクラバー(排ガス浄化装置)システムを実船に搭載して試験運用に取り組んでおり、このたび本システムによる大気汚染物質の排出抑制効果が国際基準に適合していることが認められ、船籍国であるパナマ共和国の承認を取得しました。

本SOxスクラバーシステムは、三菱重工業と三菱化工機が共同で開発した、船舶用エンジンの排ガスからSOx(硫黄酸化物)を効率的に除去する排ガス洗浄システム「ハイブリッドSOxスクラバーシステム」の初号機で、川崎汽船の7,500台積み大型自動車運搬船“DRIVE GREEN HIGHWAY”※1に搭載されているものです。

2016年2月に“DRIVE GREEN HIGHWAY”が竣工して以来実証試験を重ねてきた結果、本SOxスクラバーシステムが一般財団法人日本海事協会(NK)による排ガス浄化装置ガイドライン※2の適合性審査に初めて合格しました。これを受け、本船はパナマから実効性が立証された排ガス浄化装置を搭載した船舶であることが認められ、1月11日、在日パナマ大使館において国産SOxスクラバーシステムとして同国籍の船で初めてとなる証書を授与されました。この承認結果は、すでに国際海事機関(IMO)のウェブサイトを通じて海洋汚染防止条約の各締約国へ通知されています。

昨年10月に開催されたIMOの海洋環境保護委員会において、2020年1月1日以降、ECA(Emission Control Area:汚染物質の排出規制海域)を除く世界の全海域で船舶用燃料に含まれる硫黄分の規制が現行の3.5%以下から0.5%以下に強化されることが決まりました。海洋汚染防止条約では、硫黄分0.5%以下の船舶用燃料を使用する代わりに、条約締約国の主管庁が認めた同等の実効性を有する装置を船舶に搭載することで、従来の硫黄分3.5%の船舶用燃料を使用することが認められています。

本SOxスクラバーシステムは、2015年のECA規制以降強化されたSOx排出規制に国産で初めて対応するシステムとして、製品化されたものです。取水した海水を直接排ガスに散布して洗浄するオープンループモードと、洗浄水に清水を使用し排ガス洗浄後に苛性ソーダで中和処理して再度排ガスに散布するクローズドループモードを搭載しており、航行海域の海水の性状等に影響されることなく、安定した排ガス洗浄性能を発揮します。

エンジンに付帯する機器は通常船内に設置されるものですが、本システムでは主要構成機器を輸送用ISOコンテナ内にまとめて搭載することが可能です。このコンテナパッケージ化により、主要機器を船外の甲板上等に設置することができ、限られた船内スペースの有効利用が可能となるだけでなく、艤装期間の短縮にも寄与します。また、コンテナパッケージは比較的容易に取り外して他船への載せ替えができるため、高齢船に搭載する際の障壁も低くなります。

川崎汽船、三菱重工業、三菱化工機は、今後とも大気汚染防止対策をはじめとする様々な環境保全に取組み、地球規模で増大している環境負荷の低減に貢献していきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.mhi.co.jp/news/story/170112.html

※1:同船への「ハイブリッドSOxスクラバーシステム」搭載プロジェクトは、NK、川崎汽船、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、三菱重工業、三菱化工機との共同研究体制により、NKの「業界要望による共同研究スキーム」による支援を受けて実現しました。
※2:排ガス浄化装置ガイドライン「IMO MEPC.259(68)“2015 Guidelines for Exhaust Gas Cleaning System”」。排ガス浄化装置がMARPOL条約附属書VI第14.1規則および第14.4規則において規定される燃料油の硫黄分規制と同等性を有することを確保するための要件を定めたもので、2015年に開催された第68回海洋環境保護委員会で採択されました。

概要:三菱重工業株式会社

詳細は www.mhi.co.jp をご覧ください。


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情報提供元: JCN Newswire
記事名:「 三菱重工など3社、国産の船舶用SOxスクラバーシステムが初めて船籍国による承認を取得