TOKYO, Sep 15, 2016 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、欧州統括会社エーザイ・ヨーロッパ・リミテッド(所在地:英国)が、自社創製の新規抗がん剤「Kisplyx(R)」(一般名 レンバチニブメシル酸塩、以下 レンバチニブ)について、欧州委員会(European Commission)より、「血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とした薬剤の前治療歴を有する成人での進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で承認を取得しましたのでお知らせします。レンバチニブの腎細胞がんに係る適応においては、米国に続いて2番目の承認取得となります。

本承認は、血管内皮増殖因子を標的とした前治療歴を有する、切除不能な進行または転移性腎細胞がんの患者様を対象とした、レンバチニブとエベロリムスの併用投与の有効性と安全性を評価した臨床第II相試験(205試験)の結果[1]に基づくものです。本試験の結果、レンバチニブ/エベロリムス併用投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(progression-free survival: PFS)を有意に延長しました(併用投与群14.6カ月(n=51) vs エベロリムス単剤群5.5カ月(n=50)(中央値)、ハザード比 0.40(95%信頼区間=0.24-0.68)、p=0.0005)。さらに、アップデート解析した全生存期間(overall survival:OS)において、その中央値は、併用投与群で25.5カ月、エベロリムス単剤投与群で15.4カ月でした(ハザード比0.59(95%信頼区間=0.36-0.97))[2]。

本試験の併用投与群において、高頻度に認められた有害事象は下痢、食欲減退、疲労であり、グレード3以上(有害事象共通用語規準)の高頻度に認められた有害事象は、下痢、高血圧、疲労でした。

腎がんの罹患者数は、2012年において世界で約33万8千人、欧州では約11万5千人、米国では約5万8千人、日本では約1万7千人と推定されています[3]。腎細胞がんは、腎臓におけるがんの90%以上を占めており[4]、尿細管の細胞ががん化したものです。罹患率は50歳代後半以降に増加し、また女性より男性に多く発症するとされています。手術が難しい進行性や転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準ですが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病です。

レンバチニブは、欧州での甲状腺がん(オーファンドラッグ指定)に係る適応においては「レンビマ(R)」の製品名で販売しています。欧州(EU)における規制により、オーファンドラッグ指定のある適応症とその他の適応症を別製品名で販売することが義務付けられているため、オーファンドラッグ指定ではない腎細胞がんに係る適応においては「Kisplyx」の製品名で発売します。

当社は、がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの「治癒」に向けた革新的な新薬創出をめざしています。当社はレンバチニブによるがん治療の可能性を引き続き追求し、本剤の製品価値最大化を通じて、がん患者様とそのご家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.eisai.co.jp/news/news201663pdf.pdf

[1] Robert Motzer, et al, "Lenvatinib, everolimus, and the combination in patients with metastatic renal cell carcinoma: a randomised, phase 2,
open-label, multicentre trial."The Lancet Oncology, 2015;16, 1473-1482
[2] Kisplyx Summary of Product Characteristics (SmPC), September 2016.
[3] GLOBOCAN2012: Estimated Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide in 2012. http://globocan.iarc.fr/
[4] Eble J.N, et al. Pathology and Genetics of Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs, World Health Organisation classification
of tumours. (International Agency for Research on Cancer, Lyon, France in 2004)

概要:エーザイ株式会社

エーザイ株式会社は、研究開発型のヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業で、グローバルに研究・製品の開発・販売活動を行っています。エーザイは、神経・精神領域を含むインテグレーティブ・ニューロサイエンス、がん治療と支持療法を含むインテグレーティブ・オンコロジー、血管・免疫反応領域の3つの治療領域に活動を集中し、世界各地にある研究、生産、販売拠点を通じて、世界の患者様に貢献しています。エーザイ株式会社の詳細情報は www.eisai.co.jp をご覧ください。




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情報提供元: JCN Newswire
記事名:「 エーザイ、抗がん剤「Kisplyx」が欧州において新たに進行性腎細胞がんに関する適応の承認を取得