仕事が思うように進まないと悩む人は多いはず。「なぜ?」とその理由に向き合うことが大切ですが、一方で「達人ならどうするか」という視点も持つべきです。達人から何を学び、達人の言動を自身の仕事にどう置き換えるべきか。達人の姿勢について考えます。【週刊SUZUKI #52】

仕事で成果や結果を残せるようにするには、その道の達人から学ぶことが大切です。営業や製造、開発、マーケティングなど、特定の領域に精通する達人は専門知識やスキルを有するだけでなく、仕事に対する貪欲な姿勢や仕事に打ち込む前向きな考えも持っています。こうした仕事との向き合い方が、成果や結果を出す要因となっているのです。

仕事がうまくいかない、成果を上げられないという人は、達人の姿勢を見習うべきです。専門知識やスキルまで習得する必要はないものの、仕事への姿勢や前向きな考え方を学ぶようにします。達人の仕事に対する姿勢を身に付けることで、仕事がうまく進み出します。成果や結果もついてくるようになります。

このとき大切なのは、自身の姿勢と達人の姿勢を比較することです。達人は仕事をどう考えているのか。成果を出すために何が必要だと考えているのか。モチベーションを高めるためにどんな工夫や努力をしているのか…。こうした達人の行動や姿勢を1つずつ洗い出し、自分の行動や姿勢と比べるようにします。

比較したとき、達人の姿勢と自身の姿勢には必ずギャップがあります。このギャップをどう埋めるのかを考えることが必要です。自分に何が足りないのか、一方で達人は何が充足しているのかといった具合に、双方の強みと弱みを探ります。このようにギャップを正しく把握し、埋める方法を模索することが、達人としての姿勢を身に付ける近道です。

もっとも、いきなりギャップは埋まりません。達人の仕事に対する姿勢を、一歩ずつ確実に自分のものにすることが大切です。向上心とポジティブな感情を常に持ち、達人に近づく努力を惜しまず続けます。この地道な取り組みが、自身を成長させます。いずれ周囲から一目置かれる存在として、評価してもらえるようになります。

まずは、1つひとつの仕事と真剣に向き合ってください。つまらないと感じる仕事こそ、丁寧さを失わないでください。こうした仕事を心掛けることで、周囲から認められるようになります。信頼感や安心感を与えるようになります。達人とのギャップも次第に縮まっていくようになるのです。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 達人と自分のギャップを知り、成長の糧とする